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欲しいもの1
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明日は兼近の誕生日だ。
自粛中だが、YouTube撮影の為に仕事終わりで俺の家へ連れ帰り、盛大にとはいかないがお祝いした。
一応サプライズ予定だったんだけど、色々とグダグダになって失敗。
それはそれで面白いし、俺が作ったケーキとラーメンを美味いって言いながら食べて喜んでくれたみたいだから良しとしよう。
YouTubeの撮影を終えて兼近の方に目をやるとバッチリ目が合った。
が、直ぐ逸らされた。
なんで?
「大樹くん、なんで今目逸らしたの?」
そう言って兼近の隣に座ると、俺から距離を取るように端へ座り直した。
え、なんで?
ソーシャルディスタンスですか?
まぁソーシャルディスタンスは大事ですね。
俺らコロナ漫才書いたり、ニュース番組のMCやったりしてるから特に気を付けないといけないし。
でも不自然すぎる。
「なんでって…じゃあ俺のお願い聞いてくれますか?」
お願い?
そんなの誕生日関係なく聞いてやるよ。
「何?言ってみ?」
「キスしたい…」
キス?
そんな、ダメだって分かってるみたいな寂しげな表情されると押し倒したくなるんだけど…
いやいや、この時期よ?
「もっちーいるよ?」
「あ、りんさん、俺もう帰るんで気にしないで下さい」
いや、帰るんでじゃないのよ。
連れて行きなさいよ。
飾り付けや撮影機材を片付け、帰る準備をするもっちーは、どうやら兼近を止める気はないらしい。
この自粛期間中、俺がどれだけ我慢しているか。
キスなんかしたら、その先を我慢出来る自信がないし、マジで自分の理性を1ミリも信用できない。
「いや、ほら、兼近23時50分からインスタライブするんでしょ?もっちーと一緒に帰らないと」
もっちーに目線を送り、兼近を説得するよう促してみたが意味が無かった。
もっちー普段は優秀でしっかりしてるのに、時々天然なんだよなぁ。
今日の靴が良い例だわ。
まあ、今の俺の目線はわざとスルーしたっぽいけど。
「するよ…」
兼近はまだ諦めていないらしく
あーあ、そんな顔されたら…
チュッ……
しちゃうって。
「もっと……」
「これ以上はダメ!」
マジでこれ以上は俺の理性がもたなくなる。
「なんで?俺誕生日なのに…」
ムスッとした表情で拗ねている兼近はめちゃくちゃ可愛い。
このプレゼントは俺にしかあげられないし、こんなに強請られるのも俺だからだと思いたい。
勝手に思うくらいは良いだろう。
そう考えると愛おしさが溢れてくる。
付き合った当初なら絶対に見れなかったであろう表情も、こうして見せてくれるようになって、俺の愛が届いているようで嬉しい限りだ。
「ほんと、キス好きだよね」
拗ねている兼近を宥めるように頭を撫でる。
俺も好きだけどね、兼近とのキス。
「好きですよ、りんたろーさんに愛されてるんだなって実感出来ますからね」
「えっ?」
「まぁ、単純に俺がりんたろーさんのこと好きだからってのもあると思いますけど」
「えっ?」
「さっきからどこに引っかかってるんすか?」
不思議そうな顔をして聞いてくる兼近は、これを本当に意図して言っているわけじゃないからすごい。
「はぁ……」
思わず深く息を吐く。
そうでもしないと理性が保てない。
溜息をついたからか、兼近の目が不安に揺れたけど関係なく口付ける。
キスされて愛されてるって思うなら、兼近の望むようにとことんディープなのをしてやろうと、頭を抑えて徐々に深くしていく。
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