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明陽への贈り物
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「ここでお待ち下さい」
「は、はい分かりました」
陛下の催しが終わった後、明陽は
綺麗な花が咲いている庭へと案内
された。
「遅くなってしまってすまない。
寒くなかっただろうか」
「・・皇帝陛下、大丈夫です。
先ほど来たばかりですので」
急いでこの場所に来たのか少し
息が切れていた。
「そなたに渡すものを急いで渡そうと
小走りでここに来た。受け取って
欲しい」
「こ、これは・・」
陛下が持っていたのは、五つの宝石が
ついた洋服に付ける飾りだった。
「この宝石には
健康・富・真実・勇気・希望という
意味が込められている。
私の父からは君主に必要な要素
だと教えられたものだ」
「このような貴重な物を私が
頂いてもよろしいのですか」
明陽は驚きのあまり手が震えていた。
古くから伝わるこの宝石は重臣や
皇后など、皇帝陛下に認められた
者だけが付けられる特別な飾り。
それだけ貴重な物を自分が持っている
という事実が受け入れられないのだ。
「そなたは見事な物を作ってくれた。
宮廷には私の服を作る者たちが
いるが、その者たちより優れて
いると確信している。だからこの
飾りを渡そうと思ったのだ」
陛下は自ら明陽の服にこの飾りを
つけた。
「とても似合っている。やはり
そなたに渡して正解だった」
「あ、ありがたく頂戴いたします」
お礼を言い、顔を上げた明陽を見ている
陛下はまるで愛しい人を見つめている
ようだった。
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