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1.-session 1-
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響く歓声、噎せ返るほどの熱気、重厚なベースの余韻、脳天まで痺れるようなドラム、優しくも激しいギター、そしてーー完璧すぎるボーカル。
その素晴らしさに、開いたままの口が閉じられなくなった。
先程までは隣で手を繋いで一緒に笑っていた存在が、ステージの上に立てばまるで夜空に煌めく星のように美しく、燃え盛る炎のように熱く激しい音を奏でるスーパースターになってしまう。
その光景は少年の凝り固まった心を動かすには十分過ぎるほどであった。
そしてこの腹の底から沸き上がってくるようなこの感覚をなんと表したらいいのだろう、と少年は幼いながらに思考を巡らせる。
その頃は何度考えても出なかった答え。
今なら分かる。
それは正しく、憧憬という名の初恋だった。
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