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ーーそうして茶番劇のようなMCを数回挟みつつ三時間のライブで計二十二曲のパフォーマンスが終わった。
最後の曲が終わる頃には、その場にいた皆がMental connectionの虜になっていて、蒼司もその例外ではなく、四人のグダグダとした訳の分からない締めの挨拶ですら名残惜しいと思えていた。
後を引くような音の余韻がいつまでも耳に残り続ける。
皆が感想を言い合いながら満足気に帰り支度をする中、蒼司は一人、ステージを見つめたままその場に立ち尽くしてしまった。
ケイの歌声が耳から離れない。
今まで感じたことのない感覚。
もっともっとと強欲になり、心の奥の奥まで暴きたくなるような強い衝動。
蒼司はこの日、ケイというボーカルに恋をした。
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