アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3Chiyaside
-
「御屋形様!如何でしょうか?」
「ふむ、いい矢だ。ほれ、持って行け。」
「っありがとうございます!失礼します!」
バタバタと下がる卑者。
「血矢様、船の準備が整いました。」
跪く下僕。
「しかし、今宵は天気が悪うございます。やはり...」
「我に意見するのか?」
「っ、滅相もございません!」
「...我が何故孤島に行くのか分かるか?」
「近頃、急激に豊かになった溟護島の原因究明で御座いましょうか?」
「御屋形様ぁ、その島は人魚がいるらしいですわよ。」
「危険ですぅ。」
着飾った遊女たちが甘い猫撫で声で囁く。
「なに?!血矢様!危ないですぞ!」
「聞いた話では、漁師が岩の上に寝ていた人魚を殺した後、その村では海鳴りや大地震が頻発し、人魚の祟りと恐れられたといいます。」
「私が耳に挟んだ噂では、人魚の食べた人の骨が積み上がって島になったそうですぞ。」
口々に言う部下達。
「そんな噂は、知っておる。だが、人魚の肉を食べると千年の寿命と衰えない若さが手に入ると聞いた。」
「っ!」
「しかし、人魚は殺すと跡形もなくなってしまうから 生きたままでなければ、ならない。」
「捕獲...するのですか。」
「そうだ。では、出発するぞ。」
「はっ!」
風は吹き荒れ、波も高くなる夜。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 32