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6Kiyoakiside
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「澄耀様、こちらが資料でございます。」
「ありがとうございます...やはり、血矢は怪しいですね。」
「いやはや、澄耀様は実に聡明でいらっしゃる。この珠堂家に相応しい。」
「御両親から、受け継いだのですかなあ。」
自身の髭を触りながら薄笑いを浮かべ、話す親戚。
お前達が殺したくせによく言う。
「それに、澄耀様が当主になられてから十数年。そろそろ御結婚を考えるお年ですねぇ。」
こいつらは昔から、俺が若いから言うことを聞くと思って自分たちの都合よく丸め込もうとするが、生憎その手には乗る気はない。
「そうですね、叔父上と奥様のように仲が良い夫婦になりたいです。」
「ははは!澄煌様は、本当に見る目がございますなあ。」
ちょっと誉めると調子に乗る、頭の弱い親戚に頭痛がしてくる。
だが、無駄な争いごとを避けるには従う振りをするのが1番だ。
「澄耀様、血矢が動きました!」
「なんだと?!」
「溟護へ向かったそうです!」
「どう致しますか?」
「...潜入捜査だな。」
「では、手配致します。」
「澄耀様!我々も...!」
「叔父上達は、留守を頼みます。溟護へは、私と宇衛で行きます。」
「ですが もし、血矢が何か企んでいたら...!」
「やはり、護衛兵を連れていくべきでは?」
「それなら、我々も行った方がよかろう。」
「いいえ、留守をお願いできるのは叔父上達だけなのです!」
話が堂々巡りする前に、役割を与える。
面倒なことになる前に、出てしまった方が良さそうだ。
「それでは、行って参ります!宇衛。」
「ハッ」
一体血矢は、何を企んでいるんだ。
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