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2.美術の先生
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「はぁーあ」
今日も俺はため息をついている。これといった楽しさ、刺激はない単調な毎日だが、俺の心は今日も冷静に落ち着いている。
‘霜田くん’
ハ、俺は自室のベッドに寝転がりながらおもむろに頭に浮かんだ名城先生の顔に驚いた。日頃人との接触は控えているからだろうか、それなりにあの日言葉を交わしたあの人のことが頭に浮かぶ。…いやいや、ないない。あれは女子に人気な美術の先生。で俺おとこ。そしてあの日のあれは、些細な会話じゃないか。一瞬でも頭に浮かぶなんて、俺はどうかしている。
「霜田くん」
葉っぱの緑色が綺麗だなとおもった。
窓のすぐそこにある木の葉をつらつらと描いていたら、頭上から声がした。
「名城先生」
「やっぱり君はうまいね。綺麗な色使いだ」
感心したように名城先生が笑み頷く。
そう言われると日頃心揺らがない俺でも少々照れてしまう。
「霜田くんは風景画描くの好きだよね。」
にこり、相変わらずの爽やかスマイルを浮かべながら話しかけてくる名城先生に俺は少し間をあけて、まあ…とだけ話す。
「人物描くのきらい?」
「いえ、そういうわけじゃないですけど…」
すると、前に立つ先生がにこり、笑みを増やした気がした。
……なぜこんなことになるのか。
その日、部活が終わっても尚、俺はまたあの日のように名城先生とふたりでいた。だが今日は違う。あの日は単に眠ってしまっていただけだったが、今日はわざわざこうしてここに残っている。
というのも、
「かっこよく描いてね。」
なぜか俺が名城先生をモデルに絵を描くことになった、から。
「…顔だけ描けばいいんすよね」
まじでなんでこんな意味のわからないことに。俺はなにか選択肢を間違えたのか。そしてこの人は一体何を考えているのか。顔同様中身も人たらしとかいうチャラ先か?
「霜田くんの好きなようにしてくれて大丈夫だよ」
…意味のわからねえ先生。
「鳥のさえずりっていいよね」
しーんとした部屋に俺のペンを走らせるシャッシャッという音がたまにする中、名城先生が話す。
「そうですね」
「霜田くんの言うように自然っていいよね。澄んだ気持ちになれる」
そう言って名城先生の瞼がそっと静かに落とされるのを見る。
「心が落ち着くんだよね。風景を見てるとさ」
なんだ、この人見た目だけの教師じゃなかったのか。当たり前だけど…。
「そうなんです。だから俺、風景を描くの好きなんですよね」
ふ、そう言って半ばふわりと笑ってしまった気がした。ハ、俺はすぐに前に座る先生の様子を伺ったが、名城先生は依然として目を閉じているようだった。
…それにしても、なんでこの人は突然俺にこんなことをさせたのか。暇なのかな。
「霜田くんってさ」
「はい?」
まあ、早く描いて家に帰ろうかな。
「俺のこと好きでしょ?」
コツン、持っていたペンが床に落ちた。
……は?この人は何を言っているのか。目を閉じていた名城先生が真っ直ぐに俺を見つめている。
「…あんた、一体何がしたいんすか」
…チャラ先…まともな先生かと思っていたのに。
「俺、帰ります」
「まって」
ぐ、と腕を掴まれる。
「…霜田君ってわかりやすいよね。」
ぽそり、囁かれた言葉に俺はプチンと切れた。
何なんだこの人……!!さっきから意味わからねえことばっかり…!俺の心を、平穏だった気持ちを、こんなにムカつくくらい掻き乱すなんて…!
「離せ…!もういい、美術部なんか辞める!あんたにセクハラ受けたからって言ってやる…!」
一際吠えてそのままドアを出ようとした。
でもダメだった。
なぜなら、先生に後ろから捕まえられるように体を抱きしめられていたから。
「…は……」
途端にカッと顔に熱があがる。…息の仕方がわからない。何か言いたいのに、唇が震えていて上手く発せない。
「俺はこれでも、君よりいくつも歳の上の大人だから」
「…は、はな…」
「だから、君がいくら大人ぶろうと頑張ったって、俺には全部分かるよってこと」
抱きしめられて密着している体の部分が熱い。…くそう……でかい、こいつ…っ…ビクともしねぇ…っっ。
「せっかくこういう機会を与えたのに、霜田くん真面目にずーと絵描いてるから」
「…あ、あんた、あっ…頭、おかしいんじゃねぇの?!あんたをモデルに絵を描けって、あんたが…」
「子どもだねぇ」
…!
落ち着いた声色で馬鹿にされ、頭に血が上る。
「離せ!離せ…!このやろう!!」
捕まえられた腕の中でジタバタと体を動かし暴れる。
「こらこら、君みたいな年頃の子に暴れられると大人の俺も流石に抑えきれないよ。」
困ったようなヤツの声を聞いて、はっと自信のついた笑みを俺は一瞬浮かべる。しかしそれもほんの束の間のこと。
「……あ…」
ふと、唐突にズボン越しに触られている手の感触にビクリと俺はそれまで動かしていた体を停止させた。
「急に大人しくなったね。」
耳傍で囁かれるその声が悔しいけれど色っぽい。俺は美術室で、美術の担任にいま何をされているのか。
「俺に歯向かおうなんて、10年早い」
聞いたことない意地悪げな先生の声が聞こえて、俺は耳を、顔を、真っ赤にさせる。
「顔隠さないで、俺に見せて」
「…ぅ、あ…」
名城先生の指にいとも簡単に顎を掬われる。俺は下半身を先生の手にまさぐられながら、情けなく涎を垂らしながら発情した目で先生を見た。
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