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すまない。
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「りお、理鶯そろそろ起きなくてはいけませんよ」
貴方の名前を呼ぶ度に胸が苦しくなるのは、なぜなんだろう。いや理由なんてわかりきっているんだ。分からないフリをしているだけで。
「む…もうそんな時間か」
寝ぼけ眼をこすりながらあくびをするあなたが愛しくて。でもそれを言葉に出来ない自分が不甲斐なくて。無理やりに笑顔を作る。きっとこれもバレていたんだろうな。
「…昨晩は泊めていただいてありがとうございました。」
「いや、構わない。だが小官の食事を食べたあとにすぐに眠ってしまったのには驚いた。」
「それはもう、衝撃、いや美味しさについつい驚いてしまいまして」
「それは嬉しいことをいってくれるな昨日のは特に手が込んでいて、、ん?」
料理について語るときのりおの流暢な言葉が途切れた。
「どうかしましたか?」
「いや、首元に赤い跡がある」
「ほんとですか?いつつけられたんでしょう?」
首元を触ってみるがどうにも分からない。
「ふむ、見てみるに最近のもののようだ。」
理鶯の顔がぐっと近くなって優しく自分の首に触れる。理鶯の手から伝わる温度に胸がはねあがる。
心臓がうるさい。こんな感情。知りたくないのに。
「銃兎は小官と居る時いつも憂鬱そうだ。小官といる時間は退屈か?」
「え?」
「銃兎。知りたいお前の考えて、感じてること全部だ。例えお前を束縛する奴がいても、」
「理鶯?」
言葉を続ける前にぎゅっと抱きしめられた。
「すまない。すまない。銃兎が好きだ。本当にすまない。」
すこしふるえながら。いつものあの声で何度もあやまる理鶯になんていっていかなんて、分からない。だから
「りお、離してください。」
そう言って背中をぽすっと叩く
「あぁ、」
だから
「今度は私から抱きしめます。好きですよ。ずっと」
その時なぜだかすごく泣きそうだったのを痛いくらいに鮮明に覚えている。
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