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丹野君⑤
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結果、僕は助かった。首輪を外されて自由になった。
すぐに梅山が一本鞭を打たれていた。服を脱いて全裸の状態で。
梅山はアンアン喘いでいた。痛いだろうに、尻に赤い筋を付けられながら勃起させていた。
そんな中を佐々木に連れられて地下室を出た。
「俺と夏希で三十分ずつ交代になったから。とりあえず、今日はもう遅いし泊まっていけって。一部屋用意したから案内するよ」
そう言われて、梅山と佐々木に悪いと思いつつもホっとすると腕の傷がズキズキと痛んだ。
もう関わりたくないし、お腹も空いたし家に返して欲しいのに、何故か空き部屋に案内された。
部屋はうちの六畳の部屋より広い。シングルベッドがあって、テーブルと椅子、ハンガーラックだけがある質素な部屋だ。
窓の外は真っ暗になっている。
「ここ客室なんだ。夜ご飯持ってくるから待ってて」
「今、何時なんだろう?」
「もう夜の十時だよ。あっ逃げないでね、それこそ本当に莉紅がキレるから」
そう言って佐々木は部屋から出ていった。
逃げたいとも思ったけど、永瀬の顔が脳裏を過ぎると震えて部屋で待つしかなかった。ベッドの上で体育座りをして上から布団を被った。
布一枚でも防御力が上がると少し安心した。
少しして佐々木が戻ってきた。
「お待たせ……大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「そうは見えないけど。まぁ同情はするよ、ほらパジャマ用意したから着替えな。下着も新品で買っておいたから」
着替えを渡されて、佐々木の前で着替えた。羞恥心なんてものはなくなっていた。
佐々木はジャケットとワイシャツはハンガーに掛けてくれて、ベッドの隣に小さなテーブルを用意してお粥とお茶を用意してくれた。
「お茶ゆっくり飲んでから食べた方が胃に負担かからないから。食べたいものある?」
頭を左右に振った。食欲なんてない。
「分かった。欲しくなったら呼んでね。じゃあお休みなさい」
「ど、どこ行くの?」
「そろそろ夏希が終わるから次俺の番なんだ」
「こんな夜中に!? 一緒にいてよ、明日でいいじゃん!!」
「困ったな……分かった。葵唯に来てもらうから、安心して。もう君を傷付ける人はいないから」
佐々木の言葉の一つ一つが優しかった。こんな優しい人がこの世にいたんだ。永瀬は悪魔のようだったけど、それに比べれば殆どの人が天使なんじゃないかな。
「じゃ、お休み……」
佐々木が出ていった数分後に小倉が部屋にやってきた。
「一人だと寂しいんだって? 隣にいてあげるから大丈夫だよ。お茶飲んだ?」
頷く。凄く美味しいお茶だ、うちでは飲んだ事ない。お粥はまだ手をつけられていなかった。食べる気がしなかった。
「ほらあーん」
けど、小倉がレンゲで粥を掬うと、ふーふーして僕の口の前に持ってきてくれた。
この年で食べさせてもらうなんて恥ずかしい……。
でも、どうしてかそれが嬉しく感じてしまった。
食べ終わると、小倉がお茶を飲ませてくれて、至れり尽くせりだった。ママみたいだ。
ママは昔は俺に優しかった。でも、まだ小さい頃に亡くなって、お父さんが再婚して新しく来たお母さんとは壁が出来た。
僕もお母さんも距離のとり方が分からなくて、仲は悪くないけど、親子という関係ではないと思う。
そうか、小倉はママだったんだ。
「トイレは?」
「行きたい……」
「連れて行ってあげる」
ママに手を引かれてトイレに付いていってもらった。僕が手を離したくないって言ったら、用を足している間もずっと手を繋いでいてくれた。
なんでここまでしてくれるんだろ? 分からないけど、僕はママに甘えた。
ベッドに入ると、ママが手を繋いだままベッドに腰掛けて僕の頭を撫でてくれる。
心地良い。このまま眠ってしまう……。眠ったらきっと手を離してしまうよね? 眠りたくない。
「今日は莉紅がごめんね。腕の傷は一ヶ月くらいかな、かさぶた取れれば跡はそんなに残らないから安心して。
お尻は掘られたって思わないで、忘れてしまった方がいいよ。
時間が経てばその感覚もなくなるからね。
あ、あと丹野君の家には電話したから安心して。友達の家に泊まった事になってるよ」
優しい声。その声を聞きながら僕は夢の世界へと旅立ったのだった。
とても幸せな夢だった。ママと結婚して、新婚生活を送るんだ。ママは絶えず僕に献身的で、裸エプロンで朝起こしてくれる。
乳首が見えたからしゃぶりつくと、頭をよしよしと撫でてくれる。朝ご飯も用意してくれていて、必ずママが食べさせてくれる。僕に向ける笑顔も聖母のように優しい。
昼は僕を抱っこして子守唄を歌いながら、揺りかごみたいにユラユラ揺れてくれて、おしめも取り替えてくれた。
おやつも手作りで用意してくれていて、やっぱりママが食べさせてくれる。
僕がする事は何も無い。ただママの無償の愛を受けた。
お風呂も一緒に入ってくれた。身体全部洗ってくれて、僕のチンチンを舐めてくれた。フェラが気持ち良くて、射精したい……けど上手く出来ない。
射精、したいぃぃっ!
「──!?」
嫌な予感がして目が覚めた。目の前には見覚えのない天井、僕の手を握っていたママはもういなくて、広い部屋に一人だ。
下半身の不快感さに、恐る恐るズボンと下着を捲ると、やっぱり夢精していた。
どうしよう……。
「おはよ、眠れた?」
ドキッとして扉の方を見ると、永瀬がいた。
眠そうな顔だ。深夜まであんな事していたからだろう。怖くて永瀬の顔が見れない。
「ま……まぁ……」
「夢精しちゃったの? 新しい下着用意するから脱いじゃいなよ」
「お、怒らない?」
「なんでよ。夢精は生理現象だしね。君の陰嚢に精液が溜まってるとも思えないけど、出ちゃったものは仕方ないでしょ。ほら貸して」
永瀬の前で裸になる事に抵抗を感じなくなった。僕はすぐにズボンも下着も脱いで永瀬に渡した。
「朝ご飯、持ってくるから待ってて」
数分して永瀬が替えの下着とズボン、ウェットティッシュも持ってきてくれた。
一緒に朝食も持っており、ベーコンエッグと卵とレタスのサンドウィッチが皿に載っている。飲み物にはお茶も用意されている。
先に新しい下着を履いて、ベッドに座った。
「もうすぐ制服乾くから、そしたら帰っていいよ」
「乾く?」
「ズボン、昨日漏らしたでしょ。洗濯しておいた。今日土曜で良かったね」
そんな事すっかり忘れていた。
「あ、ありがとう。……永瀬はもう怒ってないの?」
「うん。君のお陰で愛人達の可愛い姿が見れたからね。むしろ感謝? もう盗撮しないって約束してくれるでしょ?」
「もちろんです!!」
永瀬は優しい笑顔を向けた。昨日の恐ろしい顔や、恐ろしい笑顔とは無縁のように思える。
朝ご飯を食べ終わると永瀬が制服のズボンと下着を持ってきて、すぐに着替えた。
「あ、あの……マ、小倉君は?」
「会いたい? 連れてこようか」
「お願いします」
少ししてママが部屋に来てくれた。僕の聖母……。
「ママ……。離れたくない、です。ずっと僕を育ててくれませんか?」
「えっ……えっ」
ママは困った顔をして永瀬に目配せした。永瀬の許可がないと何も出来ないんだね。可哀想に。
「ぷっ……あはははっ! ママって! 育ててって! ひゃはははははははははっ……あー苦しっ。
葵唯、彼に何したの? 内容によってはお仕置きだね?」
永瀬は大笑いをして僕を侮辱した。でもいいんだ、永瀬にどう思われても。でもママに酷い事はしないで欲しいな。
「してないよ。可哀想だったから優しくしただけ」
「それでここまで葵唯に心酔するかなぁ?」
「莉紅が虐めすぎるからだろ! 少しでも優しくされたら誰が相手でもこうなったと思うよ……多分」
ママは困惑の顔で、必死に僕と何も無かった事を証明しようとした。
僕の聖母様は永瀬のものだから、僕のものにはならないんだ。
「葵唯、そいつのママになってあげれば?」
まさかの永瀬の提案に僕だけじゃなく、ママも驚いて「いいのか?」と聞いた。
ママの反応から、僕のママになってもいいと思ってくれているように感じる。
「だってママでしょ? オーラル含めたセックスしなければいいよ」
「だってさ。丹野君、本当に俺の子供? になるの?」
「いい? ママ」
「いいよ。じゃあ甘えたくなったらこの家に来てね」
「それか一緒に住む?」
どうして永瀬はそんな提案してくるんだろう? 僕が嫌いなんじゃないのか?
さすがに親と住んでいるし、ここに住むのは無理だ。
「それは……出来ないです。僕がママに会いにここに来ます」
「じゃあ……高志君、これからよろしくね」
「はい、ママ!」
僕が大きく頷くとママが僕の頭を撫でてくれた。
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