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山野辺君③
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葵唯は黙って付いてこいと俺に指図した。連れて行かれたのは、数ヶ月前に監禁された地下室。
あの日の続きをされるのか? 放置されただけで何も受けなかった罰を次こそ受けさせられるのか。
地下室に入ると、新しく愛人に加わった男女が待っていた。
「帰らなくて正解だったわ。本当に侵入者がいたなんて……」
「彼が中学時代の莉紅の愛人?」
「そう」
葵唯は男女に頷きながら、俺を椅子に座らせた。
肘掛けに両手をそれぞれ縄で縛り、胴体と背もたれも一緒に縛ってくる。身動きひとつ取れなくされたのに、自分でも分からないが、至って冷静だ。
色々と疑問が浮かんでくる。
何故夜帰った筈の二人が? 知ってて葵唯は莉紅の部屋に来たのか?
「いつから知ってたんだ? 莉紅は知ってる?」
「最初に怪しい気配を感じると和明が言い出して、外を窺っていたら真広……お前が陰からこちらを見ているのが見えた。
莉紅に知られないようにお前の行動を見ていて驚いた。まさか莉紅の部屋に忍び込んでいたなんてな」
「チッ……。にしても碧唯、お前はいつも莉紅に知られないようにするよな。そんなにアイツが怖いの?」
「そうだよ、真広が莉紅の本当の怖さを知らない。俺はあいつに人殺しとかして欲しくないから教えないの。
莉紅に隠してこの二人を帰したフリをして家に戻らせたのは理由がある」
「お前の代わりに俺を痛めつけさせる要員だろ? 人を傷つけられない甘ちゃんだもんな」
知ってるんだよ。莉紅が他のクラスメイトに苛められてた時、お前がそのいじめっ子を殴った事があった。
けど、良心の呵責から本気で殴れていなかった。その後殴り返された分は全部避けるだけで「莉紅は俺の獲物だからお前らは虐めるな」という一言で終わらせた。
俺はそれを見てた。殴った拳を見つめて辛そうに顔を顰めていた葵唯を!
「どう受け取ってもらっても構わないよ。夏希、和秋。もう関わりたくないって思わせる位痛め付けて」
「全治一ヶ月くらいの怪我でいい?」
夏希と呼ばれた女は、女の割に葵唯より潔が良い。全治一ヶ月の怪我ってどんな怪我なのだろうか。想像ついたのが骨折とか関節外すくらいだ。
「……いや、一週間くらいで」
「分かった苦痛系でいい?」
「え? あ……ああ」
もう一人の和秋って男もノリノリだ。これは覚悟を決めなければ。痛みには弱くはないが、自信がある程強いわけでもない。
莉紅から与えられる痛みならまだしも、知らない奴からの暴力に耐えきれるのか?
「でもさ、莉紅の愛人だったんならドMなんじゃないの? 苦痛系は罰にならなさそうな」
和秋が葵唯に疑問を投げかけた。
「真広が愛人になった時まで来る者は拒まずだったんだよ。コイツのせいで細かい条件を付ける事になった。
コイツはイカれてるけどMじゃない」
「なるほど、それで一番大事な条件が莉紅を好きじゃない人だったんだな?」
「そう」
和秋と呼ばれている男が、工具箱から大型犬用らしい首輪を取り出した。それを俺の首に巻くと、息が出来るか出来ないか位の位置で止められた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
息苦しい。やば……これ、ガチに殺しにかかってないか?
次ににっこりとした笑顔で近寄ってきたのは夏希だ。結構美人だな。莉紅と出会っていなかったら彼女に恋をしていたかも、そう思えるくらいレベルの高い可愛さ。
「ねぇストーカーさん、哀れね」
「お前ら……莉紅の愛人、なんだろ? なんで、碧唯の味方なんか」
「私は碧唯君と付き合う為に莉紅様の愛人になったの。碧唯君に従うのは当然でしょ」
「葵唯は友達だから。味方するのは当然だ」
寝返ってくれそうな奴は一人もいないのか。
どうする? 逃げたいが、逃げられそうにない。
今はまだ葵唯がいる。きっと奴は耐えきれなくなって途中で逃げ出す筈だ。
そうなる前に苦痛に耐え切れない演技をして、葵唯に「ストップ」と言わせなければ。
「じゃ、いっぱい苦しんでね?」
女が俺のズボンとパンツを脱がした。下に向いてふにゃふにゃになっているチンコが見られた。
こんな屈辱……。
いや、なんだ? なんで夏希は右手に太い針を持ってるんだ!? 何をする気だ!?
針は明らかにただの針じゃない。柄が付いているし、ニードルみたいだ。
左手には消毒液。テーブルにガーゼとか用意し始め、先にガーゼを消毒液で濡らす。
「な、なにを……何をする気だ……!?」
その問いには答えず、夏希は俺の口の中にタオルを押し込み、ガムテープで塞いでしまった。
息がっ、苦しいっ! 首がギリギリ締まっていて、鼻で息を吸っても上手く呼吸が出来ない。鼻が塞がったら終わりだ。
それも計算しているのか、和秋は俺の様子を観察するように見てから、首輪を少し緩めた。
さっきよりは空気は通るが、苦しい事には変わらない。
そうしている内に夏希が、俺の膝にタオルを置いたかと思うと、チンコの先を掴んでガーゼで押さえた。
消毒液でピリピリする。そんなところを……。まさか尿道責めとか?
それなら違和感出た瞬間に思い切り叫ぼう。
だが、予想に反して女はカリ部分の皮を摘んでニードルの先端を当てた。
ま、まさか……嘘、冗談だろ!?
「ちょっと夏希。本気?」
「本気」
もう一人の男が、慌てた様な声を上げている。
流石に葵唯が止めるだろ? と思ったが……。
「え、それって一週間で治るの?」
「……治ると思う?」
葵唯が頭の悪い質問をしたと思ったら、女はそれを適当に流した瞬間、ブスッとニードルを俺の皮に突き刺した。
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんっっ!!!!」
いだいぃ!! 死ぬっ!! 死ぬぅ!!
だずけでくれ!! いだいぃぃぃぃ!!! いだいぃぃぃぃぃぃっ!!
「うん、初めてにしては上出来」
「んぅぅぅぅぅぅっ、──んんーーーーーっ!!!」
何が起こっているのか分からない。涙がボロボロ零れて、鼻水が流れても気にする余裕はない。
死ぬ程の痛み。殺してくれた方がマシだと思える。
俺が落ち着くまでどれくらい時間が掛かっただろう。何時間も狂い叫んでいたと思う。
血は止まったらしいが、まだズキズキと熱を持って痛みを主張するカリ。
夏希が処置したタオルは有り得ないくらい血塗れだ。死んでもおかしくなかったんじゃないかって思える。
「夏希、一週間くらいで治る程度って言ったじゃん。ネットで見たらさ、完治まで半年くらいかかるみたいなんだけど……」
葵唯はオロオロとしていた。そんなに痛そうに見えるのか、顔を青白くさせている。
しかも心配そうな目で俺を見ている。
「んー。普通の人には何が罰になるかなって思ったら、やっぱり私が好きな人に一番して欲しい事かなって。
一週間で治る程度って言われても、計画を変えるつもりなかったの。ごめんね?」
「夏希ちゃん、性器ピアス付けられたいの!?」
「そうだよ。葵唯君にね」
「え、無理だよ?」
「希望を言っただけ。絶対にやれとは言ってないもん」
この女は狂ってるんだ。そう思ったからって普通は出来ない。しかも準備万端と言わんばかりに道具が用意されていた辺り……。
俺を捕まえて罰を与える時は性器ピアスを付けると最初から決めていたんだ。
恐ろしい女だ。
恐ろしいよ、こんなに痛いのに、なんで彼女がまだ可愛く見えているんだろう。
額を汗で濡らしているところも、綺麗に見える。
「さすがに……これ以上の罰は与えられないんじゃない?」
和秋が苦笑いしている。こいつも予想だにしていなかったようだ。葵唯の次に驚いている。
「えー? 和秋君も自分が莉紅様にシテ欲しい事しちゃえばいいのに」
「俺は……莉紅を裏切る行動して、それに怒って死にかけるくらいボロボロにして欲しいから」
和秋の発言に、葵唯も夏希も閉口した。莉紅の周りは怖い奴ばかりなのか。
俺には理解出来ない奴らの考えに、肝の冷える思いでいた。
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