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おれ達の関係 R18
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「さっきの続き。
前に言ったよね。
おれがこうして人間の姿をとれるのは、ミコトから精気を受けとってるからだって」
「……それがなに?」
「まだ分からない?
だからミコトはあほなんだよ。
確かにひとに化ければそれだけエネルギーの消費量も増える。
だから体力もより消耗する。
だけどね、一番使うのは体力じゃないんだよ。
……さて、それがなんだか分かる?」
トン。
気付けば、おれは壁際まで追いやられていた。
風呂場から漏れる蒸気で暖まっているせいで、背中に触れる部分は暑い。
おれは動揺を悟られないように、オトの問いの答え探しに無理矢理意識を集中させた。
ひとに化けてるときに、体力よりも消耗するもの……
「……あっ、精気……」
「遅いよ。
そう、このかっこでいる間は、精気を絶え間なく循環させてることになる。
つまり、それだけ使う量も多いってこと。
そこで、精気を使い過ぎるとどうなる?」
「……なくなる」
「なくなったら、どうなる?」
「……あっ」
おれははっとオトの顔を見上げる。
おれたちの関係。
霊力と精気を交わし合うことで、オトは人に化けることができ、おれはオトの言葉を聞くことができる。
……最近意識することがなかったから、すっかり忘れていた。
精気の供給が滞れば……
オトは強制的に元の姿に……つまり、猫の姿に戻ってしまう。
そんなことが、もしも母さんや姉ちゃん、姫和の目の前で起きてしまったら……
取り返しのつかないことになることは間違いない。
そしてそれを防ぐためには、オトがずっと変身を保っていられるように、おれが頻繁に精気を渡さなきゃならない。
「……やっと、理解した?」
おれの表情を見て、オトはくすくすと可笑しそうに笑う。
それから、動けないおれにゆっくりと歩み寄り、鼻がぶつかりそうな距離まで顔を近付けた。
「じゃ、どうしたら良いかも分かるよね?」
「……っ」
低く囁かれて、ぞわりと身体が震える。
オトの手に肩から二の腕をすっと撫でられると、おれはたまらずオトの手を掴んで顔を逸らした。
「分かるけどっ……
けど、こんな……み、見つかったら……」
「だいじょーぶ。
誰か来たらおれがすぐ気付くし、そしたらお風呂場に入っちゃえば見られないじゃん。
……あ、ならいっそ、もう入っちゃおっか?」
「は……!?」
おれが戸惑っている内に、オトはさっさと服を脱いで裸になってしまう。
そして抵抗する間もないままおれまで脱がされ、強引に風呂場に突入した。
「お、オト……!」
「うわっ床冷たい。
ねー、これシャワーどうやって出すの?」
「……」
おれは無言でシャワーの蛇口をひねる。
そして、わざと出始めの水をオトの足下にぶっかけた。
オトは悲鳴をあげてぴょんと飛び退いた。
「あははっ」
「ミコト、わざとやったでしょ!」
だって、やられっぱなしは悔しいだろ?
やられたらやり返すのが人情ってもんだ。
……そして、やられてやり返せば、倍以上のものが返ってくるというのも、良くあるはなし。
「ミコト……
覚悟は出来てるよね?」
「へっ?
え、ちょっ……ま、待った!」
「やだ」
「っ、……んっ……!」
がぶっと噛み付くように唇を奪われ、甘い雰囲気とはまるで無縁なほど、激しく口の中を蹂躙される。
シャワーが真上にあるせいで、生温い湯がしきりに口腔に入ってくる。
くちゅくちゅと耳の奥で卑猥な音が鳴るのが、シャワーの音よりも鮮明に響くような気がした。
「ん……ふ、ぅ……
……ん、んんっ」
ふいに脇腹をするりと撫でられて、がくんとひざが抜けそうになった。
反射的にオトの腕にしがみつくと、オトはおれの腰を引き寄せて、ぴったりと身体をくっつけた。
それと共に、口付けも一層深くなる。
片手で後頭部を押さえられているため、息を継ぐのも大変だ。
ただでさえ苦しいのに、オトが腰に添えた方の手で背筋やら腰やらをゆるゆると撫でてくるせいで、息が上がって辛かった。
「っは……、んぅ……
んっ…………」
ああ……
頭がぼうっとする。
酸素が足りないからなのか、熱いからなのか、分からない。
意識が飛びかける寸前で、オトはやっとキスをやめた。
支えなしで立っていられなくて、オトに完全に弛緩してしまった身体を預ける。
とろとろに溶けてしまったみたいに、身体も、息も熱くてたまらなかった。
そんなおれをからかうように、オトは指の腹で、腰から脇にかけてのラインをすうっとなぞった。
「ぁっん……!
……お、オトっ」
「ん……、」
「〜〜っ、
うっ……やめ……か、噛むなっ……」
「痛い?」
「……ん……」
「ミコト……どーしよー
おれもっとミコトに触りたい……
いっぱいキスしたい……
ミコト……」
「お、オト……?
……っ、いっ……」
ちゅ、とオトの唇が肌を吸い上げる。
ちくっとした痛みは赤い斑点になって、肩や胸に痕を残した。
「や……っめ……
……やめろって……言ってんだろっ……ばかッ!」
「いてっ!」
ゴンッ!
と、我ながら良い音がした。
……気のせいかおれはオトを良く殴っている気がする。
「痛いっ
ミコト、痛い!」
「痛くしたんだ!
つうか、おれだって痛いっ」
目に涙をためて怒鳴ると、オトはちょっと驚いた顔をした。
「……そんなに痛かった?
ごめんね、なんか興奮しちゃって」
「お前……」
「ね……次はちゃんと気持ちよくしたげる。
だから、ミコトもおれのこと気持ちよくして?」
「……は?
う、わっ……なにっ」
完全に力が抜けて床に座り込んでいたおれの腰を、オトはぐっと引き寄せると、自分も腰を寄せた。
そのため、おれはオトのふとももの下に足を通し、オトはおれの身体の両側に足を投げ出すような格好になっている。
そしてなにより……なによりも、オトのペニスとおれのそれが、触れ合うようなことになっている光景に、おれは頭が羞恥で沸騰するような気がした。
フェラされるのはまだ良いんだ、だって女の子でもフェラはするだろ?
でも、こんな……こんな風にくっつける……なんて男同士でしか出来ないことじゃないか。
……これで良いのか、おれ。
なんて、今更すぎる躊躇をしてみたところでなんの意味もない。
おれがもんもんと考えている間に、オトはなんのためらいもなくおれのペニスに長いきれいな指を添えると、緩く上下にしごき始めた。
「……ッ……」
たまらず、ぞくぞくと身体が震える。
そしてオトは片方の手でおれの手を取り、自分のものに触れさせた。
……まじかよ。
思わずつばを飲んだおれの顔を、オトは息がかかる距離で覗き込む。
濡れた前髪と、紅潮した頬がやけに目をひいた。
「ミコトも……こうやって自分の触ったことあるんでしょ?
ねー、どうするのが一番気持ちいいのか……おれに教えて……?」
「……っ」
甘く低い声に、指先が微かに震える。
思考するよりも先に、おれは手を動かしていた。
なるべく多面積に指が当たるように……
親指の関節で裏筋をこするように、上下にゆっくりと愛撫していく。
オトはおれの動きを追うように、同じ動作を繰り返した。
「はっ……はぁ……っ」
くちゅ、くちゅ、と手を動かす音と、お互いの息遣いが狭い浴室に反響する。
自分の良いところを探すように、指を滑らせていく。
「……んっ……、ッ……う、ぁっん」
かりかりと爪で先端をかくようにすると、オトもそれを倣い爪でおれのペニスをひっかく。
びくんっと身体がはねて、のどから甘ったるい声が溢れてしまう。
恥ずかしくて唇を噛んだとき、オトがこつんと額を合わせてきた。
「ミコト、かわいー……」
「っるさい……
……んっ……く……、」
「……声、やなら口塞いであげる。
ほら……あーんって、して?」
「……ぁ……っん……んーっ……」
「んっ……ミコト……」
手の中の脈が早くなる。
それに合わせて、無意識に手の動きも加速していく。
「ん、ぁっあ……オトっ……」
「……っ……」
震える声で名前を口にした途端、触れる熱が大きくなった。
そのことを実感すると、頭の中がどんどん熱くなっていく。
快感に支配されていく。
「はっ……ミコト……ミコト、気持ちい?」
「うぁ……ん、んなことっ聞くなって……っ、んぅ……っ」
「ミコト……
あー、もー……
かわいー、好き……」
「は……ぁ、ん……っ
……お、オト……もう……っ」
「イきそう?
じゃ、一緒にイこ……」
「んっ……は、ぅっ……」
もう感覚が麻痺した指に必死に力を込めて、絶頂を促す。
張り裂けそうなほど煮える欲が、身体の中心でたぎっているのが分かった。
「っ、ん……う、あぁっ……あ……っ、!
…………ッ!!」
そして、ほとんど二人同時に全てはきだした。
「……っ……
は……はっ……」
胸の奥が熱くてたまらない。
少しずつほどけていく痺れが心地いい。
「ミコト」
名前を呼ばれて顔を上げると、眸が重なる前に柔らかい感触が唇に触れた。
目を閉じて、身を委ねる。
今までで一番、気持ち良いキスだと思った。
ちゅっと音を立てて離れると、オトはなんだかとても嬉しそうに微笑っていた。
「あのね……すっごく気持ち良かったよ。
だけどおれね、それ以上に、ミコトにいっぱい触れたことが嬉しい」
「……オト、そんなにおれのこと好きだったの」
「そうみたい。
……えへへ。
ミコト、好きだよ」
「…………うん」
これでいいのか。
……なんて、どうしようもないことを考えて、躊躇してしまうときもあるけど
オトがおれのことを好きって、嬉しいって
おれのことを見つめて笑ってくれるのなら
うん、これでいいんだ。
たとえおれたち以外の全てのひとが、それは間違ってると、首を振ったとしても……
おれはそれでも、オトと一緒にいることを選んでしまうんだろう。
だけどさ、それも悪くないなって思うんだから……笑っちゃうよな。
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