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ゼラニウム
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「ねえ、僕のこと好き?」
情事の後特有の気だるさが残る部屋の中で、僕は彼にきいた。
彼とのせっくすの後、必ずきく質問に、彼はいつも『もちろん』と答える。
そして今日も、彼は『もちろん』と答えた。
しかし、僕は知っている。
彼には僕の他に、5人の恋人がいることを。
そして、その中で僕だけがせっくすするだけの関係だということを。
最初知った時はすごく悲しかった。
ずっと好きだった先輩に告白されて、初めてキスもえっちもして。
もうこのまま死んじゃってもいいくらい幸せだった。
先輩を信じたい。
でも、1度ついた黒い染みは消えることは無い。
どれだけ擦っても色が薄くなるだけで消えてなくなることはない。
だからその黒い染みを見ない振りするために、毎回僕は彼にきく。
白い布を何枚も何枚も重ねて、何にもないようにするため、僕はきく。
本当に僕の事だけ好きですか。
だって、こうして肌を重ねている間は僕の、僕だけの彼だから。
だから、こうして物わかりのいい後輩を演じていれば、ずっと先輩といられる。
そう、ですよね先輩。
「どうして泣いているんだい?」
ねえ先輩、僕はもう疲れちゃいました。
「先輩、僕の為に他の人達と別れてって言ったら別れてくれますか?」
答えなんて分かりきってる。
でも…でも、いつもの質問の答えみたいに笑顔でもちろって言って欲しい。
「別れるも何も俺は君一筋だよ。」
「そんな気休めはききたくない!だって、2週間前に可愛い男の人が僕に言ってきたもん!!」
僕より少し背が低くて、守ってあげたくなるような人だった。
「なんて言われたの?」
「先輩には、僕の他に5人も恋人がいて、僕は遊ばれてるだけだって……」
ふーん、と考え込んだ先輩の雰囲気が少し怖くなった気がした。
「俺に初めての恋人の座も、初めてのキスも、初めてのHもくれたかわいい恋人が遊びなわけないだろう?」
ここも俺の形を覚えるぐらいHしたのに信用されなかったなんて俺悲しいな、と言いながら、少し前まで先輩が入っていた穴に指を入れられ、掻き回された。
「俺が君をどれだけ好きか分からせてあげる。」
そういう先輩の目はギラりとしていて、狼のようだった。
いつも、どれだけ先輩が加減してくれていたのか分かるくらい激しいえっちだった。
その日から1週間ぐらいして、僕に浮気されていると言ってきた子が、嫉妬してついた嘘だと謝りに来た。
少し怯えているように見えたけどきっと僕の気のせいだよね。
ゼラニウム
(白) 私はあなたの愛を信じない
(赤) 君ありて幸福
なんか久しぶりに完結した気がする
先輩くんは嫉妬くんに笑顔で"交渉"しに行きました
後輩くんはちょっと頭が弱い子です
先輩くん独占欲強くて学校では後輩くんに近づく奴みんなに威嚇してます
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