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攻略
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その後。
始業式のため、体育館に移動中。
「身長高いのな!何センチ?」
「……182」
と話しかけてみたり。
「すげー!桜めっちゃキレイじゃね?」
「……そうだね」
と話しかけてみたり。
「スポーツ得意そーだよな!何部?」
「……帰宅部」
と話しかけてみたりした。
が、見ての通り惨敗。
さらにさっきの時間の自己紹介。
何か仲良くなるきっかけが得られるかと思いきや。
奴は、
「城田慶」
としか発しなかった。
「―― 思った以上に、手強い」
「無理なんじゃね?」
朝間が、俺の努力を軽くあしらう。
今は10分休憩。
朝間の窓際先頭席に寄り付き、本を読むシロタケイを眺める。
「俺も無理だと思うなあ」
ゆるーく発言するのは黒川。
朝間と同じ野球部だ。
ただし坊主の朝間に対し、黒川は毛がある。
黒川はいつも優しくて、すげえ良い奴。
なので、意地悪でそう言うことはない。
「なんで?」
「俺、1年の時同じクラスだったんだけど、その頃からずっとなんだよねえ」
「ずっと、あんな感じ?」
「そお。誰が話しかけてもずうっと無愛想。だから無理だと思うんだよねえ」
無愛想。
あいつ、無愛想かな?
むしろ黒川の話に、俺は希望しか感じない。
「じゃあ俺、いけると思うわ!」
「はあ?お前黒川の話聞いてた?」
「誰に対してもあんな感じ、っていう話だろ」
「2年間ずーっと無愛想男だって話だよ」
「シロタケイ、むしろ愛想いいよ」
怪訝な顔をする朝間と黒川。
シロタケイは、俺が話しかければ必ず何かしら返してくれる。
無視はしない。
それが何よりの証拠だ。
シロタケイは、別に無愛想じゃない。
「極度の人見知りかも」
「お前無駄にポジティブやめろよ」
「そこが代田の良いところじゃんねえ?」
「おうよ!」
無駄にポジティブ。
それが自他共に認める俺の取り柄。
だけど。
あそこまで素っ気なく返されると、さすがの俺でも嫌われてんのかな?と思ったりはする。
けど俺個人が嫌われてるわけじゃなさそうだ。
良かった~。
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