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コンプレックス1
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今、僕はアイン王国国立記念パーティーへと赴いている。
俺は出席しなくても大丈夫だと思っていたが、さすがに息子が出ないのはまずい、とのことで半強制的に参加することとなった。
休みの日なのに気を張ってないとならないなんて…
こういう時だけ息子扱いだし。
「ハルディア様、ご機嫌麗しゅうございます」
「この度は御足労頂きありがとうございます。本日のパーティーは楽しんでいただけてますか?」
「それはもう、久しぶりに足を運ばせて頂きましたが、エドワーン陛下も変わらずお元気そうで…」
もの優しげな老夫婦が声をかけてくれて挨拶をした。
俺は見た事ないけど、お父様のことは知ってるから僕が小さい時にでも会ったのかな…
「ハルディア様、ご結婚はまだお考えではないのですか?」
「え、あぁ、はい。兄が結婚するので、それが落ち着いたらと思っているので…」
「左様でございますか…大変厚かましいとは思いますが、もし宜しければ私共の娘を貰って頂けないでしょうかね」
縁談の話、か。
どうせまたαだろ?身元のわからない子と結婚するつもりは無いし、僕なんかと結婚したらそのお嬢さんが可哀想だ。
「…申し訳ありませんが、結婚についてはまだ何も考えていませんので。嬉しいお話ではありますが…すみません」
「いえいえそんな、謝らないでください。私も出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありません」
「いえ…パーティーもまだまだ続きますので、ゆっくり楽しんでください」
その場に居続けるのは気まずいし、どこか違うとこに行くか…
そう思い少し離れた所へ向かうと見知った顔がいた。
「あ、ハル!」
「ライ、今日来てたんだ」
「父さんが招待されたらしくてさ、付き添いで来たんだ」
「本当に顔が広いな…さすが商人」
「まぁね〜、父さんには全然及ばないけどさ」
ライのお父さんとライは2人で商人をしている。
受け持ってる地域は全然違うけど、アイン王国は唯一共通で受け持ってるらしい。
結構大きい国だから、1人じゃ回りきれないんだとか。
「今回はどれくらいいるの?」
「んー3日くらいかな?だから明後日にはここを出るよ」
「そっか、忙しいのも大変だな」
「それなりにね〜」
ライは色んな話をしてくれる。
旅先で会った人、途中で出会った動物とかたくさん。
僕の知らない、もっと広い世界の話。
僕もライみたいに自由に世界を飛び回ってみたい。
密かにライのことを羨ましいと思っていた。
「ねぇハル、最近妙な噂を聞くんだけどさ」
「ん?」
「…裏で奴隷を売り捌いてるって話。闇市が無くなったと思ってたんだけどさ、最近また復活したらしくて…」
「は…!?」
周りに誰も居ないのを確認すると僕に耳打ちをしてきた。
しかもその売り捌かれている奴隷のほとんどが獣人らしい。
「特別な組織が動いてるみたいでさ、合言葉がないと入れないとか。しかも会員制で、貴族様じゃないと参加出来ないようにしているらしいよ」
お父様はこのことを知っているのかな…
Ωはもちろん奴隷だって忌み嫌ってるし、知らないふりをしているのかな…
だとしてもこの国の長なんだしそれは絶対にないか…
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