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コンプレックス5
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ああは言われたものの、恐怖とかそんなのより助けたい一心だった僕は二つ返事で行くと言った。
そして今、その闇市の最中。
「この度はお集まり頂きありがとうございます。本日の商品はとても良い物をご用意しておりますのでご堪能ください。」
生気を失ってる獣人達が次々と出てきては落札される。
今出た中で1番高値だったのは白うさぎの女の子のΩ。
しかも発情期真っ只中だった。
顔を真っ赤にし、涙を流しながら助けを求めていた。
心が痛み、今すぐここから出たかった。
どうしたらこの制度を辞められる?
でもこの制度を辞めたら今奴隷として生きてる人達の未来は?
悶々と考えていると隣に立っていた男が小声で僕に声をかけてきた。
「君は闇市が初めてだね?どうだい、この現状を見た感想は」
「………」
そんなことを聞いてどうするんだ…
面白がっているとでも思っているのか、それとも初めてのこの場にいる僕を見てこの人が面白がっているのか…
話しかけられても僕はライとの約束を守るためにずっと無言でいた。
「ありゃ、ちゃんとルール守っているんだね。感心感心…だけど君、Ωだよね。大丈夫なの?こんなところに来て」
「!」
危ない、声が出るとこだった。
…どうして僕がΩだって分かったんだ?匂い…?
おかしい。匂いを誤魔化すために強めの香水をつけてきたのに…
「…だんまりか。あ、次は男のαみたいだよ。珍しい黒豹だね」
男の声に釣られてステージを見ると自分の目を疑った。
この前助けた獣人だった。
その獣人は誘発剤を打たれているのか、興奮しているようだった。
上裸だった彼は会った時よりも更に傷が増えていたのが見えた。
そんな彼を見て、いや、彼を見た瞬間心臓がドクンと大きな音を立てた。
目が離せなかった。
「…この人だ」
っやばい、声を…
僕は口元を抑え、急いで会場を後にした。
「………へぇ?」
あの声をかけてきた男が嫌な笑みを浮かべてるのも気づかずに。
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