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コンプレックス6
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走って逃げるように帰ってきた僕は、これが走ったから心臓が早くなってるのか、さっきの彼を見て心臓が早くなってるのか分からないまま眠りについた。
翌朝、目覚めが最悪だった。
外は大雨が降っているせいもあり頭が痛い。
重い体を起こし、本邸へと向かった。
「ハル、おはよう。具合悪そうだけど大丈夫かい?」
「…ジル、おはよう。大丈夫だよ」
ジルに挨拶をすると、僕は目を見開いた。
昨夜闇市で見たあの黒豹の獣人がジルの後ろにいたのだ。
「ジ、ル…その人は…」
「え?あぁ、昨日仕事中にね、道端で野垂れ死にそうになっていたのを見かけてさ。可哀想だったから拾ったんだ」
昨日拾った…?おかしい、闇市にいたのに…逃げてきたのか?
それとも…いやでもエル兄様の仕事は昼間のうちに終わっていたはず。
ということはここにいるのは他人の空似?
暗かったのと、途中で帰り顔もあまり覚えてないため確実に昨日の闇市の獣人とは言いきれなかった。
でも、匂いは同じ。
「ハル?どうかした?」
「え、いや、なんでもない…お風呂とかご飯とかきちんと用意してあげないとだね」
「そうだね。そしたらハル、伝えてきてくれる?ボクはこの子を広間に案内するから」
「わ、かった…」
あの場にいたら何となく危ない気がして、僕は早足で侍女のところへ行き1人増えたこととお風呂とか服のことを伝えに行った。
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「…あの子の匂い、分かった?」
「………」
「さっさと言えよ」
「…あいつはαだった。これを知って何になるんだ」
「あれ?αだったんだ?ふーん……ま、折角キミを買ったんだし、使えるものは使っとくか…」
「…………くだらね」
「キミには理解を求めてないから何を言っても構わないけれど、ボクの邪魔をするならボクも黙ってないからね。じゃ、先にキミは風呂に入っておいで。その後ボクの部屋に戻って待ってて」
「わかった」
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