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コンプレックス10-ノワールside-
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次々と見たことあるヤツらが落札され、売れていく。
発情期中のやつも関係なく。
ネロは別の場所に借り出されていたため、この場には来ていない。唯一俺と仲良くしてくれたアイツだけはここにいなくて良かった。
俺は首輪を引っ張られ、ステージ袖まで歩かされる。
すると首輪を持ってた貴族はおもむろに何かを取りだし、それを俺の脚に刺した。
それは注射だった。
何かの液体を注入されると、次第に体が熱くなってきた。
α用の誘発剤を打たれたというのがすぐに分かった。
うさぎのΩが高値で落札され、引き取られると次は俺の番だった。
首輪を引っ張られ覚束無い足取りでステージへと行き、壇上へ上がらされた。
「さぁさぁ!今日の大目玉の黒豹のαです!」
ステージ下にいるのは鼻息を荒くした汚い貴族達。
奥の方に目をやると、1人の人間が目に入った。
そいつを見た瞬間何か直感的に頭の中で思っていた。
こいつだ。と
誘発剤のせいか、そいつを見たせいか分からないが、俺の体は更に熱くなった。
頭に血が上るような感覚、心臓が痛いくらい強く波打っている。
俺を見た瞬間、その人間は逃げるように帰ってしまった。
獣人達のこんな姿を見て気分が悪くなったのか、それとも俺のこんな姿を見て哀れだと思ったのか。
真偽はこれからもずっと分からない。
もう一生会うことは無いだろうから。
「今の額は500万です!他にいらっしゃいますか〜」
「1000万」
ざわざわと騒がしかった会場が、一人の男の声によりピタリと止んだ。
「い、1000万!1000万です!他にいらっしゃいますでしょうか!」
「い、1100万!」
「1500万」
500万と言っていた貴族が負けじと上げて行くが、更に男が上の値段を言う。
最終的についた値段は
「に、2000…」
「5000万」
「ごっ…!?〜〜っ、ろ、6000!」
「1億」
「なっ!?」
「1億!!……決まりました1億です!」
首輪に繋がれていた鎖がその男の手へと渡った。
仮面越しに見えたその瞳は俺にとって、とても嫌悪感でしかなかった。
こいつも獣人のようだ。
「ボクの為に役に立ってもらうからね」
嫌な笑みを浮かべた男はそう言い、俺に抑制剤を飲ませると連れて帰った。
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