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コンプレックス12-ノワールside-
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静かに深呼吸をしてどうにか気持ちを抑える。
変な汗がでてきた…
すると歩きながらジルが話しかけてきた
「…あの子の匂い、分かった?」
完璧Ωだ。しかもかなり強力な。
発情期が来ればこの城全部フェロモンで覆われるだろう。
よくここまで無事に生きてきたな…
それに、ハルディアと俺は運命の番だ。確かではないが。
俺の意思と反して邪な気持ちが芽生えてきてしまう。
「………」
「さっさと言えよ」
頭だけ振り向けば、俺をギロっと睨んできた。
そんなに知りたいのか…
αの中でΩ1人はさすがにまずいのは俺でも分かる。隔離させてあげたいとかそういう理由でハルディアの性を知りたいなら進んで伝えるが…ジルは、コイツはそんな理由で知りたいわけじゃなさそうに見える。
「…あいつはαだった。これを知って何になるんだ」
「あれ?αだったんだ?ふーん……ま、折角キミを買ったんだし、使えるものは使っとくか…」
意味わかんねぇこと言い出しやがるなこいつ…
質問の答えにすらなってねぇし、何を企んでやがる…?
にしても…
「…………くだらね」
自分の番にする為なら手段は選ばねぇってやつか…
結局貴族は獣人だろうが人間だろうが性根は腐ってんだな
とりあえずαって嘘ついといて正解だった
「キミには理解を求めてないから何を言っても構わないけれど、ボクの邪魔をするならボクも黙ってないからね。じゃ、先にキミは風呂に入っておいで。その後ボクの部屋に戻って待ってて」
「わかった」
ジルをなんと思おうが今この状況は俺にとって当たりだった。
もしほかの貴族に買われていたなら朝昼晩、寝ていても構わず1日中虐げられていたはずだ。
俺はジルに言われたとおり風呂に入り、しばらく部屋で待機しているとノック音が聞こえた。
扉の向こうには二人。ここの使用人か?
返事しないでいると、中に入ってきた。
「失礼します。ジル様に言われて替えのお洋服とお食事をお持ち致しました」
「…どうも」
近くのテーブルに置くと、一礼して部屋を出ていった。
先に洋服に着替え、食事を取っていたときだった。
またノック音が聞こえた。今度は1人。
使用人ではない。誰だ?
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