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家に帰ると誰も居なかった。
少し安堵しながら靴を脱ぐ…するとタイミング良く父が帰ってきた。
【クソッ…っんだよ今日はよぉ】
気が立っている…きっとパチンコで負けたのだろう。
関わりたくはない…そう思い、階段を登った。
【おい。どこ行くんだ。】
「ゔっ……!」
襟元を捕まれ、バランスを崩した俺は床に転がり落ちる。
そんな俺を構うことなく蹴り上げる。
「あ゛……っ…」
【っとによぉ…お前はストレス発散にしか能がねぇな!】
「がっ……ヴッ……」
そう思ってもらえてるだけマシなのかもしれない…
それで父の鬱憤が無くなるのなら…いくらでも殴られようが蹴られようが構わない。
散々貶されてきたが、能があるなんて言われたことがない。
喜んではならない状況な筈なのに…褒められてはいない筈なのに…褒められたと勘違いしてしまっている。
嗚呼……必要としてくれている…
嬉しいなぁ…
【おい。】
「………。」
腹に座られ、苦しくなる。
せっかく…幸せに感じられたまま意識を手放せたというのに…
【ストレスと言やぁ………アッチも暫くしてねぇなァ…】
アッチ……?
考えている内に、ズボンを脱がされる。
まさか……嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
「や…っ………ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!だからそれだけは嫌だ!嫌だぁ!!」
【うるせぇ!!!】
左頬にガツンと重い衝撃と熱い感覚が広がった。
幼い頃に終わったと思っていたこの行為…俺が唯一嫌がる行為。
やだ……
謝るから…何度でも謝るから!
殴ってもいいから!蹴ってもいいから!お願い…
お願いだからそれだけは………っ……
【っ…っ………良いぜぇ……お前っ…ック……顔、だけはあいつに似て良かったなァ…】
揺さぶられる視界…
もう何も考えたくない…
自分の中に入っている気持ち悪いモノが…出たり入ったり…
嘔吐してもお構いなしに動く父…
気持ち良くなんかない…痛くて………屈辱で…
死にたい…
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい
腕に爪を立て、血が出てもずっと握り締める。
傷口に爪が食い込もうと関係ない…
早く………早く終わってくれ……
涙なのか汗なのか分からないほどぐちゃぐちゃになった液体が、吐瀉物と混ざり合う。
後ろ手にベルトでキツく縛られた腕が痛い。
藻掻けば藻掻く程締め付けられる…
【出…っ…すぞ】
強く脈打ち、熱い液体が体内に注ぎ込まれる感覚がした。
再び俺は嘔吐する…
【あー…………っ…ふぅ……スッキリしたぜぇ…】
そう言って父は俺の中から出ていき、風呂場へと去って行った…
俺は何もする気力がないままひたすら玄関から射し込む光を眺めた…
こんな一方的な行為…何も幸せじゃない……こんなのが…っ…
もう………嫌だ………
「……ん……」
寒さを感じ、目を開けるとすっかり辺りは暗くなっていた。
そのまま放置されていた俺の身体は、バキバキで…節々が悲鳴を上げていた。
何とか身体を起こし、壁に凭れる。
吐瀉物と涙と汗で悲惨だ………ふ、と顕になっている下半身に目を向ける。
乾いた…白い何かが付着している。
嗚呼…洗い流さなきゃ…こんな気持ち悪いものは流さなきゃ。
洗って…洗って綺麗に…
フラつく足取りで風呂場へと向かう…
崩れるようにタイルへ座り込む…身体を支えようと壁に伸した筈の手は、蛇口に当たったのか頭上から冷たい水が降り注いだ。
「………っ…っ……ぅっ………うぅっ……」
冷たい水な筈なのに…頬に当たっているものは何だか温かい…
重くなった衣類を脱ぎ捨て、石鹸を手に取る。
汚れを落とさなきゃ…
タワシを掴み身体を擦る。
赤くなった皮膚なんてどうでもいい……染み付いた汚れを落としたい。
無我夢中で擦っていくと血が出始めた。
それでも構わない…落ちるならなんだっていい……
風呂場から出て、洗面所にある鏡に自分が写り混む。
赤さを通り越して血だらけになった腕と足……嗚呼、醜い。
タオルで身体を拭くが、何度当てても血が出てきてしまう。
タオルで身体を包み、自分の部屋へと急ぐ。
「………。」
部屋に入り鍵を閉め、自分用の救急箱を取り出す。
軟膏とガーゼ……包帯も必要か…
そう思いながら自分を手当していく。
「………惨めだな…ほんと……」
手足が包帯に包まれ…思わず笑う。
なんて惨めで滑稽な姿をしているんだろう…と。
産まなければよかった…だなんて…可笑しな話だ…
自分たちが気持ちいいことして産まれてきたんだから。
そのまま堕ろせば良かったものを…
「あーあ…………人間なんか嫌いだ……」
己から発せられた声は弱々しく、儚いものだった…
先生…どう言ったら助けてくれる…?
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