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皇ツキの溺愛具合1
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「お兄様、いい加減。機嫌を治してください」
「………うるさい。」
「もう、じゃあ。今日の夜に開かれるパーティーでは、お兄様以外と踊ってもよろしいのですか?」
「それは、卑怯だろ。」
黒塗りの車の中、新しい制服に身を包んだ美しい二人の兄妹が口喧嘩を始めていた。
「ここが一番、教育の水準が高いんですよ」
「だが、男もいるだろ。本当は、女子校にするつもりだったのに。共学なんて」
「カッコいい殿方がいるらしいですね。どんな殿方なのか気になります。………確かお名前は、司様だったかしら」
悪戯じみた事を告げるホシに、不機嫌を隠そうともしなかったツキはあからさまに顔を歪めた。
「ホシ。………わざとだろ。」
「わざとじゃなかったら、どうします?」
「可愛くないやつ」
「私は、お兄様のことカッコよく思ってますよ」
にっこりと微笑むホシに、ツキは顔を背けた。
「そういう顔するな。」
「お兄様、耳。赤いですよ。ツンデレもほどほどでお願いできますか?」
「………俺以外にはそういう顔するなよ。惚れられたら困る。____________後、3秒以上知らない男と見つめ合うな、話もするな。ムカつくから」
「一瞬、ときめきかけた私の気持ち返してもらえます?………お兄様こそ、無防備な顔はしないでくださいね」
「無防備って何だそれ?」
「照れると真っ赤になる所とか無闇に笑顔を振りまくとかそういうものです。そのせいで何度苦労させられたと思ってるんですか。」
「何を言ってるんだか。………………ホシ。本当に行くのか?」
真っ黒な瞳の中にツキの本心を見つけたホシはほんわりと溶けるように笑う。
「………お兄様。私がここに通う理由をお教えしましょうか?_______共学だとお兄様と一緒にいられるからですよ。ご機嫌直りましたか?」
控えめに囁かれた事実に嬉しさで蕩けるような笑みを浮かべたツキは、ホシの頭を撫でた。
「直った。やっぱり、俺の妹はかわいいな」
「もう、そういう顔を他の方々に見せないでくださいよ!お嬢様方は、勿論。殿方にもダメですっっ!!」
「何でだ?それをいうなら、ホシの方こそ」
「何でもですっ!」
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