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友達-18
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「行くぞ。一緒に帰んだろ。」
「あ、うん…」
成海に腕をひかれて二人について行く。
「…あの、ごめん。迷惑、かけた…」
「えぇっ、全然大丈夫だよ!謝らないで、悪いのは全部あいつだし!ねえ慧悟?大丈夫だよね?」
「ああ。」
「ほら。俺らは大丈夫。それよりも結城くんが心配だよ。」
心配そうに俺の顔を覗いてくる七瀬。
慣れない優しさに胸が苦しくなる。
「…分かってたんだ俺。逃げなきゃって最初から思ってたのに逃げれなくて…、迷惑、かけたから…」
あの時逃げていればこんなことにもならなかったし、二人を巻き込むこともなかった。
「ごめん…。でも、助けてくれてありがとう、…………怖かった…っ。」
本音を口にすると堪えていた涙がぽろぽろと零れ始めた。
人前で泣くとかださい。そう思っていても1度出てしまった涙はなかなか止まってくれない。
「大丈夫、迷惑なんてかけてねえから。」
迷惑かけてない、?成海優しい…よかった、
「そうだよ。俺達は結城くんの味方だから。」
驚いて七瀬の顔を見ると笑われる。
「あはは、そんなにびっくりしないでよ。大丈夫だよ、嘘じゃないし裏切ったりもしないから。」
嘘じゃないし裏切ったりもしない……?
本当に?
またあんな惨めな思いはしたくない
「あー、まだ信じれない感じ?でもそんなに心配しなくてもいいと思うぜ。こいつ簡単に嘘つくタイプじゃないし馬鹿だけど結構良い奴だから。」
「っな、馬鹿は余計だろ!!それにお前より俺の方が頭いいし!!」
七瀬も同じようなことを今日言っていた。慧悟は結構良い奴だからって。
仲、いいんだろうな。
ちょっと羨ましい。
そういえば道でぶつかった時もこんなやり取りしてたな。
「あはっ」
ずっと言い合ってる二人に思わず笑ってしまった。
「今、結城くん笑った…?」
「え、ぁ、うん…」
あれ、七瀬すごいびっくりしてる、、
「いや、あの…いっつもつまんなそうな顔しか見たこと無かったから…ギャップでやられた…。めっちゃ笑顔かわいいんだけど。見た?慧悟。」
「見た。」
えっと…どうすればいいんだろう…
「あのさ、結城くん!」
急に名前を呼ばれて少したじろぐ。
「な、なに…」
「やっぱり俺結城くんと友達になりたい。絶対嫌な思いはさせないから。嫌じゃ無かったらさ、友達、なってくれない、かな」
「友達…、」
あれからずっと拒絶してきた関係。
言葉だけで、壊れるのは簡単だった。
離れられるのが、怖かった。
友達になったら七瀬も離れていく…?
怖い。
でも、
もう1度、信じてみようか。
「……やっぱり、だめかな?」
「いい、よ。」
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