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隠し事-3
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いつか伝えたいとは思っているけど、それは今じゃない。
今はまだ、ちゃんと結城くんと向き合おう。
それで、俺に心を開いて欲しいな。
相談にだって乗りたいし、何かあったら助けてあげたい。
「七瀬はさ、なんで俺と友達になりたいって言ってくれたの、」
突然そんなことを言って不安そうに上目遣いで結城くんが俺を見上げる。
なにそれ、めっちゃかわいい…。
じゃなくて、結城くんと友達になりたいと思った理由だった、
「んー、結城くんと話すの楽しかったから。」
今は友達じゃなくて恋人になりたい、なんて言ったら結城くんはどんな反応をするだろうか。
まあ、今はまだ伝える気ないけど。
「え、俺、喋るの苦手なんだけど…。楽しかったの?」
「楽しかったよ。」
確かに、結城くんは口数が多い方ではないと思うけど。
口数が少ない分、表情がコロコロ変わる。
初めて結城くんとちゃんと話した日も、その時まではつまんなそうな顔をした結城くんしか知らなかったから、嬉しそうな顔とか、照れて赤くなった顔を見るのが新鮮で、結城くんと話すのが
楽しかった。
「そうなんだ…俺、実は友達とか……その、苦手、でさ…。わざと近寄られないようにしてたんだ。だから最初、今よりも素っ気ない返事しかしてなかったと思う。ごめん。」
友達が苦手、?なら今だって辛いんじゃないか?
あの時簡単に友達になろう、なんて言って困らせたことを反省した。
「……トラウマなんだ。友達が離れていくのが怖くて、最初から友達なんて作らないようにしてた。……っでも、七瀬は怖くないから。成海も。二人とも、優しいし。」
『七瀬は大丈夫』
その言葉が嬉しすぎて口角が上がるのを必死に耐えた。
まあ、慧悟もらしいけど…。
「ありがとう。七瀬がいなかったら俺、ずっと一人だった。」
突然そんなことを言われて自分の顔が赤くなっていくのがわかる。
「…え、七瀬、なんで顔……」
「っえ!?い、いや!?べっ、別に!暑いからかなぁ、!?」
うわ、バレた!
しかもこんな見苦しい言い訳、、
で、でも今のは仕方ない。
だって今のは、俺だけに向けられた言葉だったから。
好きな子にこんなこと言われて嬉しくないやつなんていないでしょ!
「あと、佐々木の件。俺の為……に走って来てくれたの、嬉しかった。」
なにそれっ!?こっちの方が嬉しすぎてやばいんだけど!!
だってあれ、地味に気にしてた。よく考えたら俺が行ったから状況悪化した可能性あるし、大体結局助けたのは慧悟だし。
それなのに嬉しかったと言ってくれてほっとする。
「ゆ、結城くん…俺、今めっちゃ嬉しい。」
思ったことをそのまま口にすると、結城くんがふっと笑った。
「七瀬といると楽しい。」
「…ッッ!?」
もう、俺はさっきから結城くんに動揺させられっぱなしだ。
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