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転校生-31 篠宮桜
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「え、何それ。じゃあ最初から私の事騙してたの!?」
「違う。昨日話した。」
「昨日って……ふーん、あっそう。どうせそうやって同情買うつもりで言ったんでしょ。被害者ぶってさ、昔からそうじゃん。」
被害者ぶったつもりはない。
ただ、七瀬にずっと隠してはいられないと思ったから言っただけ。
なんなら嫌われるつもりで言ったくらい。
「可哀想って思われて特別扱いでもされたかったの?」
「…違う。」
可哀想なんて思って欲しい訳じゃない。
特別扱いだってされなくたっていい。
「じゃあ何、暁にだって簡単に股開いて誘うような淫乱の癖に!!」
「なに、それ……」
言い終わると篠宮ははっとしたような顔をした。
それと同時に教室のドアが勢いよく開いた。
「…結城くん……?」
「……七、瀬…。」
今の、聞かれた……?
心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うほど煩い。
「えっと、今の、聞こえちゃったんだけど…何?」
「っち、違うっ!今のはっ、___」
「違わない!!」
篠宮が震えた声で叫ぶ。
「遥くん、騙されないで!全部本当!こいつがどうやって遥くんに説明したか知らないけど、こいつは、色んな男と…毎日…!」
「篠宮さん、?」
「全部、こいつが誘って…!私が好きだった人にだって!だから…だから…!」
「うん、分かったから。とりあえず、外出よ?」
分かったって…何を、?
「七瀬……っ、」
「大丈夫。結城くん、ちょっとごめんね。」
そう言って二人で教室から出ていってしまった。
一人になって、急に怖くなった。
また、嫌われたかもしれない。
昨日はあんな風に言ってくれても、今のを聞いてもし信じていたら…?
大丈夫って何が…?
何がごめんねなの、?
「七瀬……」
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