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転校生-35 篠宮桜
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佐々木はうんうんと頷きながら聞いていたけど、最後には顔を歪ませた。
「え、じゃあ俺がやった事、滅茶苦茶怖かったんじゃ……」
「うん。すごい怖かった。」
「…本っ当にすみませんでした………。」
俺はこの短時間で何回謝られたのだろう。
土下座でもしそうな勢いで謝られると流石にこれ以上は責められなくなる。
「やっぱ、気持ち悪い?」
「んーん、そんな事ない。言ったじゃん、俺結城クンの事好きなんだってば。」
七瀬も好きって言ってくれたけど、そういうのって変わらないものなのだろうか。
俺には分からない。
俺は自分みたいな奴は嫌だ。
「じゃあさ、色んな人と毎日って言ったら?それも、全部俺が誘って。」
こんなの、佐々木に聞いて大丈夫だと言われたところで七瀬も同じだとは限らないのに。
「……それ、篠宮ちゃんが言ったの?」
「…まあ。」
「あー、うん、えっとね、結論から言うと多分大丈夫だよ。」
今のを聞いて何で大丈夫だと思ったのかは知らないけど、佐々木は解決したとでも言いたげな口ぶりで話した。
「だって、結城クンがそんな事する訳ないもん。俺でも分かるよ。なのに付き合ってる七瀬クンが分からないわけないでしょ?」
でも、七瀬はごめんねって言って部屋から篠宮と二人で出ていった。
あのときの光景を思い出して急に不安になる。
「でも、戻ってこなかった…。」
「あぁ、それで嫌われたと思ったの?多分戻って来なかったのは事情があるんだよ。」
そうだったらいいなと思う。
「大丈夫、かなぁ」
大丈夫と言われているのに、考えれば考える程不安になる。
「っふ、大丈夫だよ。ってなんで俺好きな人の恋応援してるんだろ、こんなに良い奴だっけ俺って、」
「?ううん。」
「え、自分の気持ちを押し殺して好きな子の恋を応援するいい感じのキャラ演じてたのに!!七瀬クンのことになると可愛いのに俺に対しては辛辣!!」
酷いよ〜と泣き真似をする佐々木にどう声をかけていいか分からず、そのまま放っておいて貰ったチョコを一粒食べた。
もう佐々木のこのテンションにも慣れた。
「あっ、でもさ、それって今は良い奴って事!?」
まあ、正直悪いやつとは思ってないんだけど。
「んー、わかんない。」
「出た結城クンのわかんない。まあいいけどね、それだけの事した自覚はあるし、」
そう言って何故かしょぼくれてしまった。
折角相談に乗ってくれたのに、なんだか少し可哀想に思えてきた。
「佐々木、本当は嫌いじゃないから。」
「佐々木じゃなくて悠吾って呼んでよ…、あと別にさっき嫌いなんて言われてない…。良い奴かどうか聞いて分かんないって言われただけだし…。」
「っふふ、そうだね。悠吾、ありがとう。ちょっと元気出た。」
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