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物事はいつも唐突に③
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待ち合わせの場所についたのは午前10時頃。
家を出てから約3時間かかった。
全く土地感が無い人間にいきなりその場所へ行けというのは、中々酷なことだと思い知った。
そんな中辺りを見渡すと見覚えのある人間が1人。
「みーくん!」
「おっ、尚斗!遅かったなwwww」
この野郎、すかした顔しやがって……と怒りたい所だが今は我慢しよう。聞きたいことは沢山あるんだ。
「……なぁ、なんで俺はこんなことになってんだ?家には俺の部屋しか存在しないわ、外出たら知らない町だわで。……つかケータイとかも見たけど何もデータ入って無かったんだよ!お前の以外!さてはお前が全部仕込んだんだな……!?」
そんな俺の全力の問いかけに、みーくんはやたら神妙な顔つきをしていた。
「ふむ……全ての刻が動き始めたようだな……。」
「おい、厨二ぶってないで早く答えろ!」
「はいはい、仕方ないなぁ。まぁ、おバカな君にも分かりやすく言うと……
どうやら俺たちはBLゲームの世界にトリップしちゃっ
たようだね☆」
「………………は?」
馬鹿って言われたことに言い返す気力もなく、俺はただ呆気に取られていた。
「いいか。この町、俺が尚斗ん家でやってたゲームに登場する町と同じ名前なんだ。」
「…………待て、ちょっとまじで状況が分からない」
「俺だって本当はすっごい混乱してるけど、多分俺の考え通りのことが起こっている、で間違いないと思うよ」
……もし、もしもだ。その事が本当なら、俺はとんでもないフラグを拾ってしまった事に気付いた。
「…………ってことは、この紙は……」
朝、テーブルの上に置いてあった紙(フラグ)をみーくんに見せる。
「……!!!お前、これ…………
お前が主人公枠か!!!!!」
あー、やっぱりそういう流れになりますよね。
…………って、
「なんでお前じゃなくて俺なんだ!!」
「知らないよ!だったら俺だってなんで主人公じゃないんだ!!!!…………あっ!」
「なんだよ……?」
何かを思い出したらしいみーくんが大きな声をあげる。
「そうだ!俺、このゲーム始める時、尚斗ん家で一緒にやろうと思ってたから主人公の名前をお前にしたんだった。」
「おい……おい……お前………………」
「一番泣きたいのは俺だよ!」
「いや、俺だろ。マジでふざけんな」
「俺だよ!なんで俺が主人公じゃないんだ……」
ってこんな無駄なやり取りしてる場合じゃないんだった。
「……で、だ。一番大事なこと聞きたいんだけど、俺の両親とか他の友人達は一体どこ行ったんだ?」
「俺も尚斗と全く同じ状況だよ。だからさっぱり検討もつかないな」
「やっぱりそうか……。」
「このゲームの主人公の設定上だと、両親は海外に単身赴任って書いてあったけど……」
「でもそれはあくまでゲーム上の両親の話だよな。
俺の本当の両親は……?」
「もしトリップ説が正しいなら、クリアするまではこの世界から出られないから、これから先長いこと会えないかもね」
おれは めのまえが まっくらになった! ▼
…………駄目だ!こんなところでゲームオーバーになっちゃ。なんとしても俺は帰らなきゃいけないんだ……!!
「なぁ、こういったゲームのクリア条件って……」
「ま、立ち話もなんだし、そういう話は尚斗の家でしよう!」
「おい、何で俺ん家「はいはい、主人公くん!ほら早く家まで案内!」
すっごく楽しそうなみーくんに押されながら、既に疲れ果てている俺はしぶしぶ元居た場所へ戻っていった。
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