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物事はいつも唐突に④
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行きはよいよい帰りはうんたらとはこの事だったのか。
何故か家までの帰り道が分からなくなってしまい、
若干の迷子になりかけたのと、みーくんが寄り道しまくった事により、家に着いた頃にはすっかり日が沈んでいた。
……で、俺の家に着いたわけだが、
「お前くつろぎすぎだろ、この一大事に」
「ん~だって尚斗の部屋落ち着くんだもん~」
俺のベッドの上に勝手に上がってゴロゴロしてるみーくん。いつも勝手に乗るな!と何度言っても聞かないからもう諦めたけどな。
「よくそう落ち着いていられるよな」
「いや、さっき俺だって混乱してるって言ってたでしょ。それにこーゆー事って楽しまなきゃ損じゃん」
コイツ……俺とは全く違った考えをしてやがる。
でもそこは流石みーくんとだけ思っておこう。
「……で、本題に戻るが、このゲームについて教えてくれ」
「おっけー!何でも聞いてくれ尚斗くん!題して……『おしえて☆みーくん先生』のコーナー!」
「そんなんいいから早く教えろ」
「はいはい、まったくせっかちな生徒だね~」
やれやれといった身ぶりをしながら、みーくんが立ち上がる。
「んじゃー、とりあえず尚斗。ギャルゲはやるんだっけ?」
「最近は全然やらんけどな」
「そうか、じゃあ覚えてる限りでギャルゲのENDにはどんな種類があった?」
かなり前の記憶だから合ってるか不安だけど、一応答えてみるか。
「んー、まずハッピーエンドだろ?あとバッド、グッド、トゥルー、ノーマルあたりか?」
「そうそう!そんな感じ!でもそういうENDって誰かとくっつかなきゃ終わんないよね?」
「……ってことは、ここはBLゲームの世界だから…………うわぁぁあ!!考えたくもねぇ!」
俺が男と付き合わない限り帰れないだなんてそんな……。俺がこの世界で失う物は多そうだ、と今更ながらひどく落胆した。
「んっふふ!でもね、そんな尚斗に救済ルートを教えてあげようかな~」
「あっ、あるのか……?」
「あるよー!でも尚斗の返事次第では教えないけどねん!」
「用件はなんだ、」
みーくんの事だからとんでもない事を言ってくるんじゃないかと思わず身構える。
「俺に学校で何かあるごとにメールを送ること」
「な、なんだ……それだけでいいのか?」
なんか怪しいがそれだけで俺の救済ルートが分かるならお安いもんだぜ!
「……ん?メールで送れって、お前は同じ学校じゃないのか!!???」
「残念ながら。俺はフツーの共学の学校だよ。やっぱ転入扱いになるらしいけど」
こ、こいつ……!!共学だって!???
じゃあ俺はコイツが女の子達とキャッキャウフフしてる間に、一人悲しく野郎ばっかの学校に行かなきゃいけないのか……
「…………。」
「俺が恋しいからって泣くなよ」
「…………。」
「んーで、救済ルートについてだけど、こういった恋愛ゲームには恋人にならなくていいENDがあるんだ」
「それって……?」
「いわゆる『友情END』ってやつだね」
「おぉ……!!じゃあ俺はそれを目指せばいいんだな!」
「但しこのゲームでそうなるには、誰とも付き合わないまま卒業まで学園に居るしかないんだ。だから実質、帰るまでの時間が一番遅くなるルートとも言えるね。」
「そんなこと、俺の貞操が守れればそれでプラマイゼロだ!あー!よかった!」
そう俺が1人喜んでいると、みーくんがなにやら怪しい笑みを浮かべながらこちらを見てくる。
なんだよ、まだなんかあるのか?
「なんだその顔は」
「いや、まだ説明してない事いっぱいあるなーと思ってさ」
「…………」
「一気に喋って良い?」
みーくんの笑みが一段と深くなる。
あぁ、この顔は悪巧みしているときの顔だな。
「よろしくお願いします……。」
出来れば聞きたくないが、これからの俺の運命がかかっていることだから、しっかり聞いておかないと。
「…………まず、
舞台は山奥にある全寮制の男子校『黎陽学園』。
それと、このゲームのシステムについては、主人公の受け攻めが決まっていない仕組みになっています。
だから、尚斗の行動次第で色々変わるわけです。
それにさっき友情ENDとか言ったけど、他にハーレムエンドという素晴らしいものもあります。
但しどうしたらそうなるのか、また攻略キャラ等については一切公言致しません。おk?」
うん、なんとなくだけど分かった気がした。
「そういえば受け攻めって?」
「長い間俺といたのにそんな基礎的なことも分からないなんて……がっかりだよ。」
「俺はお前のそういう話を全力でスルーしてきたからな。知らなくて当然だろ」
「(´;ω;`)……うん、じゃあ超簡潔に言うわ!攻めは掘る方。受けは掘られる方な」
「うん、よく分かった!やっぱこういうゲームって貞操強奪システム入れてくるよな!」
「なんだそのシステム名wwwwこわっwwwww
まぁ尚斗が受けになる事とかないだろwwww」
「ならいいんだけどな……。
でもまぁ掘られるのだけはマジ勘弁だから、とにかく受けっぽい行動はしないようにしよう。」
勿論、俺が望むルートは友情ENDただ1つだけどな。
と、付け足して言っておく。
「まー、ガンバレー」
超テキトーに応援してくるみーくん。
まったく……他人事だと思いやがって……!!
「それと、もう1つだけ聞きたい。ハーレムエンドってなんだ?そんなに攻略キャラいんのか?」
「ハーレムエンドはギャルゲとかでよくあるでしょ。ここでは、それの男バージョンみたいな」
「うげぇ……」
「攻略キャラについては仕方ないから少しだけヒントをあげよう。攻略キャラの人数は全員で8人です!」
「多っ!!!!」
「ゲームってそんなもんでしょ。
で、いっぱい説明してあげたんだから、お礼になんか食わせろー!!!」
腹減ったー!とか言いながらベッドの上で暴れだすみーくん。お前は子供か。
俺も腹は減ってるけど飯作れねーしな……
「あっ!ところで尚斗の編入日って明日?」
「お前切り替え早いな。……そうだけど、みーくんは?」
「一緒だよー!じゃあ今日は泊まってくかなー」
「は?ここに?今から?」
「…………ぐぅ。」
「おい!寝るな!」
「それ、自分にブーメランなの気づいてる?」
「……うぐぅ、何も言えねぇ……。」
「じゃあ、おやすみー!」
結局、その日はみーくんにベッドを占領されてしまったので、俺は悲しく冷たい床で寝ることになった。
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