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不良がもたらす波乱について③
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「えっ、もしかしてコレ貸してくれないパターン?」
「……お前は嫌じゃないのかよ」
「床で寝るよりは遥かに良いだろ。それに風呂入れないのもアレだし、着替えまんまもヤだし。」
床で寝た事あるか?まじで起きた時体痛いからな。それに夜中床の冷たさで何度も起きるし。と全力で説明する。俺は一度みーくんに床寝の辛さを味あわされてるからな……。もう2度とあんな思いはしたくない。
「そこまで言うか(笑)…………ま、貸してやらねぇこともねーけど」
「よっしゃ!まじ太っ腹!青生ちゃん最高!」
ってな訳で、一番風呂もらって、スペアの歯ブラシ貸してもらって、服も貸してもらって……もう至れり尽くせりな状態の俺ですが…………、
「この服、袖と裾がちょっと短いんだけど」
「うるせぇ!だったら返せ!」
なんて言われたからとりあえず黙っておいた。
でもこう考えると俺より青生ちゃんの方が背が低いって事だよな?青生ちゃんの放つ威圧感のせいで今まで大きく見えてたのかもな。
「そういや、かなり唐突だけど…………なんで女用のシャンプーが風呂にあったんだ?……まさか彼女でもいるのか……!!???」
「……なワケねぇだろ。貰いもんで仕方なく俺が使ってんだよ」
絶対嘘だ!彼女連れ込んでるんだろ!と反論すると割りとガチめに睨まれた。
なんだよー。ただの冗談なのに。
ま、そもそもこんな山奥に女の子連れてくるとか難しいだろ……と思ったが喜島ならやりかねないな。
「……冗談はさておき、もう夜遅いわけだし寝るか。青生ちゃんの布団で!」
なんてサッと布団に潜り込むと、お前準備万端すぎwwwwと笑われた。
「俺、床に落ちるの嫌だから壁側なー」
「人に借りといて……ま、良いけど……。」
やっぱ青生ちゃんは優しい。俺の自分勝手な要求受け入れてくれるし……全く、どっかのみーくんとは大違いだ。みーくんと居るといつも俺が我慢してばっかだから、こうやってワガママ言えるのも新鮮だし、なんだか嬉しい。
青生ちゃんも布団に入るとなんだか凄く暖かく感じる。これが心地良い体温ってやつか。
ちなみに枕はロングタイプだったから用意する必要は無くてよかった。
「……電気消すぞ」
「ん、おやすみー」
部屋がパッと暗くなる。
思い返すと今日は随分と濃い1日だったなと思う。
明日も良い1日になればいいんだけどな…………。
「ーーい………………おい…………おい、起きろ五十嵐!!!」
この声は……青生ちゃん……?もう朝か……。
「おはよう。……やっと名前読んでくれたな」
目を開いてそう言うと、思った通り真っ赤な顔が目の前にあった。
「うっせ!早く起きねェとメシ冷めるぞ!」
「えっ!朝ご飯作ってくれたのか!??」
「お前が作れっつったんだろ」
そうだったな、と笑いながらテーブルへ向かう。
テーブルの上にはThe朝食って感じのご飯と味噌汁。
それに卵焼きとおひたしまで。凄い美味そう。
「……起こしてくれて、ご飯まで作ってくれてあるって…………なんか新婚生活みたいだな」
「ぶふっ!!!!」
俺がそう言うと味噌汁でむせ始めた青生ちゃん。おいおい、大丈夫か。
「へっ、変なこと言うんじゃねェ!」
「ごめん…………。」
なんか怒られたので取り合えず謝っとく。そこは笑って欲しかったんだけどな。
何故か頬を染めた青生ちゃんは、そそくさと食器を片付けに行ってしまった。
俺はまだ食べ終わってないのに、食べるの早いな。……いや、ただ単に量が少ないのか?
そんな俺を気にもせず、青生ちゃんは支度を始めていた。
「お前も食い終わったら皿、流しンとこに置いとけよ」
「分かった。……って、青生ちゃん、そのカッコ……!!」
「…………お前が来いって、言ったんだろ」
なんと!俺の目の前に居る不良な彼が、制服を着ていたのである。俺の手によって1人の生徒を登校に導いた事は素晴らしい事だと思う。讃えて欲しい。
「まじで来てくれるなんて嬉しいよ!これから学校でもよろしくな!」
「……お前が、呼んだんだからな……責任、とれよ」
せ、責任って一体何をすれば良いんだ?とにかく一緒に行動してればいいんだろうなと思い、
「おう!」
と快く返事をした。
俺と青生ちゃんが学校に着くと、何やら周りが騒がしい事に気が付いた。しかも凄い注目されてる気がするんだが……。
どうしてだかさっぱり分からないので、周りの声に耳を傾けてみる。
アイツ、夏海だろ?あの不良の。
一緒にいるのって転校生じゃね?
あの夏海を手懐けたってことか?すげーな。
とかなんとか聞こえてくる。
でもその一方で、
なんでアイツ学校来てんの?
何かされそうで怖いわー
不良は帰れよ
なんて青生ちゃんに対する誹謗中傷も耳に入ってくる。お前ら、青生ちゃんの苦労も知らないくせに好き勝手言ってんじゃねぇよ。とその場で怒鳴りたくなる。
隣を見ると、やっぱり聞こえていたらしい青生ちゃんが俯いていた。
俺が連れてきたせいで青生ちゃんを傷つけてしまったなんて……。とにかく今はなるべく人の少ない所へ行こう。
「……青生ちゃん。ごめん」
俺はその手を強く握って校内へ走った。
ふと階段途中で立ち止まる。周りに人は居ない。
「お前、俺といると変なこと言われるって分かったろ」
「…………俺が何か言われる分には構わない。でも青生ちゃんはなにも悪くないのに、なんで……」
「……そういうモンなんだよ。悪ィな、俺のせいで。折角誘ってくれたのにヤな思いさせて……。
…………俺、もう学校に来n」
「あっ!尚斗、おはよー!と、…………夏海だ!!」
「おはよー。あ、君が夏海かぁ。」
「晴輝……?喜島……?なんでこんな所に!??」
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