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もっと仲良く!②
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夕日に染まる放課後の教室で、俺たち4人は話をしていた。
「えっ!夏海ってバイトしてんの!!???」
晴輝が問いかける。
色々話をしているうちにバイト経験の話になっていたらしい。さっきまで俺と青生ちゃんに質問攻めしてたくせに、話の切り替え早いな。
学校では禁止されてっから内緒で、だけどな。なんて青生ちゃんが言う。
そんな校則あった事すら知らない俺。つかここから町まで出てバイトってやる人もいないんだろうが。
青生ちゃんが昨日帰り遅かったのはバイトのせいだったんだな。
「でも何でバイトしてるの?」
欲しいものでもあるの?と喜島も問いかける。
「……生活費とかな。あとは卒業後にバイク乗りたいから貯めてんだ」
「バイクか!そういや部屋にバイクのグッズとか置おいてあったな。」
「へぇ!夏海ってバイク好きなんだ~!やっぱハーレー?」
話に乗っておいてそれしか種類分からないんだけどね、と晴輝が笑う。
貴島なんて話ふった癖にスマホ弄ってやがるしwwwwお前wwwww
代わりに俺が話に乗ろう。
「俺もバイクとかそこまで詳しくねぇけどCBXとかなら知ってんぞ。400Fだっけ、親戚が乗ってた」
「400F乗ってるとか色々スゲェな、その親戚。俺には手も出ねェよ……」
そんな凄いヤツなのか、全然知らなかった。
青生ちゃんは恨めしそうな顔をしている。
「ねーねー!ところでさ、夏海って今日もバイトあんの?」
「急にどうした。……まぁ、あるけど」
割り入ってきた晴輝が、そっか!と嬉しそうに笑い、俺たちの前に仁王立ちして
「じゃ、今夜そのバイト先行っちゃおうぜ!」
と言い放った。
時は夜。俺達は裏門と呼ばれる場所に集まった。
どうやらこの場所は監視の目を免れ、自由に出入りができるらしい。
知る人ぞ知るその場所には勿論、俺達以外の影は無い。
「おー!みんな集まったな!じゃ、夏海!案内よろしく!」
あの後、バイト先行くついでに尚斗の日用品も買い揃えちゃおうよ!なんて言われたので、急いで寮に戻って支度をはじめた俺達。
……が、財布を持っていないという事実を再度忘れていた為に、かなり焦っていた。
そんな中、何故か寮母さんが部屋まで来て「五十嵐くんの両親から何か届いてるよ」なんて渡された封筒の中にクレカが入っていたので、今こうして買いに行けるわけだ。
『両親からカード』という単語を聞いて思い出したことがある。俺はなんて大事な事を忘れてしまっていたのだろうか。
俺の両親なんてこの世界には居ない。
そう、それはここが『BLゲームの世界』だって事を!
もしやと思いすぐにケータイを確認したら、案の定みーくんから沢山の連絡が入っていた。
でも今連絡する時間無いし、ちょっと面倒だったので明日の夜までには返信しようと思って放置した。
ま、BLゲームの世界に来たからって、多分そんなフラグとか立ってなさそうだし、友人も出来たし大丈夫な気がするな。順調順調♪
…………で、かなり話が逸れたが、気付かない内に結構な山奥まで来た模様。
「足元気ィつけろよ」
青生ちゃんが注意を促す。
やっぱ裏道ってだけあって、峯先輩と来た道とはだいぶ違うな。
少し足場は悪いが、表から行くよりかなりショートカットなコースなんだそう。
てか、ちゃっかり喜島が来ててかなり笑った。
どうやら今夜は女の子との予定は無いらしいな。
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