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どうしてこうなった!??③
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~♪♪
うるせぇ……うるせぇ、うるせぇ!!!!
今日だけで、いやこの一時間だけで何十回とこの着信を聞いている。それ故か、歌えるようにまでなってしまった。
……まぁ、そんな事はどうだっていい。
晴輝と部屋を変わると決めたあの日から、いくら何度注意しようが全くきかないのである。
部屋から出る時は比較的静かになったが、直すべきところはそこじゃあないだろう。
あぁ……まただ。また鳴っている。
もうソロソロ俺も限界だ。
「行ってきます……」
そっと玄関の扉を開ける喜島。
俺はベッドから立ち上がり、その影を追う。
「…………待てよ。」
ドアにかけられた腕を掴み、体ごと壁に押し付ける。
これで身動きは出来ないはずだ。
「っ……。手、痛いよ……五十嵐。」
喜島が俺を見上げる。
くそ……。寝不足で頭が回らなくなってきた。
意識が飛びそうだ。でも何か言ってやらないと……。
「喜島………どこにも行くな。」
「え、五十嵐……?……うわっ!??」
ここで俺の意識は途切れた。
「はっ!!!」
気がついた頃には、俺は晴輝のベッドの上にいた。
喜島が運んでくれたのか……?きっちり布団もかけてくれてある。そういう気遣いはできるのにどうして……。
そんな喜島の姿は部屋には無かった。
「やっぱり、そうだよな……。」
あの喜島が彼女達との約束を破るなんてそうそうない。前は気が向いたから来てくれたのかもしれないが。
とにかくもう、ここまで来たら行動に移すしかないな。
「…………おはよう。」
「あっ!尚斗!……もうお昼だよー?」
俺は晴輝と青生ちゃんのいる部屋を訪れた。
晴輝の方はすっかり体調が治っているようで安心した。
「お前、あれだけ二の舞になんなと言ったのに……」
俺の顔色を見てか、青生ちゃんが心配してくれている。 やっぱり優しいな。
「……それがな、俺だって色々努力はしたんだよ。でもあいつの執念凄いのな。ケータイ隠したり水没させたりしてやろうと思ってたんだけど、いっつもその直前に見つかんだよ。」
「えっ……まさか喜島って忍の末裔……?」
晴輝のひとことに思わず吹き出す。
喜島が忍者とかwwwwwwいや、寧ろエスパーだろwwwwwww
「それ後で本人に言ってみようぜwwwwww
……で、な。なんと今日も相変わらず喜島はお出かけしてるんですよ。だからもう……尾行してやろうと思ってるんだが……」
「えっ!いいね!面白そう!……オレたちはヘーキだけど、尚斗は体調大丈夫なの?」
「……出掛け先で倒れたんじゃ元も子もないからな」
二人とも……。その心遣いが凄く胸に染みるよ……。
俺は良い友人を持ったなぁ……。
「さっきまでグッスリだったから大丈夫だ!」
「ならいいんだけど……無理はしないでね!」
「おう!」
「……ところで喜島の行き先は知ってんのか?」
「うーん、若干うとうとしてたんだけど、いはらじきって単語が聞こえた気がした……。」
「飯原敷じゃないかな?こっから駅で5個目くらいの街。そこで合ってるなら、オレ案内できるよー!」
「おっ!じゃあ任せたぜ晴輝!
よし!それでは、早速……出発~!」
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