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どうしてこうなった!??④
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十数分電車に揺られ、俺達は目的の場所、飯原敷へたどり着いた。
「……ねぇ、来たはいいんだけどさ、この街ってケッコー広いんだよね」
伝え忘れてた!なんて晴輝が笑う。
「あぁ、思ってたより発展した場所で驚いた」
俺も唖然とする。
「これじゃあそう簡単に見つかんねェだろうな」
青生ちゃんはそう言いながら喜島に電話を掛けるも、全く繋がる様子はないようだ。
「仕方ない、こうなったらテキトーに歩いていこう。そんでもし見つからなかったら、今日のところは諦めるか……。」
「そうだねー。……あ!そうだ!もし目的地が無いなら、オレ行きたいトコあるんだけど寄っていい?」
すごく楽しそうな晴輝。
もうその表情見てたら、奴が見つからなくてもこの街
に来てよかったと思う。
「わかった。じゃあそこに向かうか」
駅から少し歩いたところに、晴輝の行きたかった場所はあるらしい。
「ココーー!!」
「そうか、ここか…………ん?」
俺は目を凝らす。これは……。
外観はピンク。内装もピンク。俺の目の前にはすごくラブリーないかにも女の子向けって感じの店があった。
「パフェの専門店なんだ♪一回来たかったんだよねー!」
おいおいおい、晴輝は気にしてなさそうだが、どう見てもココに男3人で入るのはかなりきついぞ。この前のバーから一気にレベル上がったな。
きっとこんな店、青生ちゃんだって入るの嫌……。
「……可愛い。」
なんだその顔。なんだその顔!??
青生ちゃんはまんざらでもなかったようだ。
ここに来てまさかの乙女趣味の発覚は驚いた。
ま、それより俺は甘いの好きじゃないしな。……買うのだけは遠慮して、早く店から出よう。
……というつもりだった。
しかし、二人が並んでいる間席に着いててと頼まれてしまったので今そうしているんだが、正直3人でいるよりこの状況が一番辛いわ。新手の拷問か。
「それにしても、まだ買い終わんないのか……?」
並ぶにしても少し長すぎる気が……なんて思ったので、少し様子を見に行ってみる。
でもこの店、外まで並ぶなんてどんだけ人気なんだよ。…………お、2人いたいた!
「晴輝!青生ちゃん!……って、何やってんの?」
「あっ!尚斗!ね、見て、修羅場だよ!」
2人は何かを見ているようだった。
修羅場って……。晴輝が指差した方へ視線を向けると、そこには……
「あれ、喜島じゃね?」
視線の先には女の子たちに囲まれている喜島がいた。
凄い偶然だ。これで俺のミッションが遂行される。
とりあえず今は様子を伺うため、耳をすます。
ねぇ、何でその子と今日デートしてんの?
マサ~あたしが一番だよね?
わたしでしょ?他の人は引っ込んでてよ!
なんて色々と言い寄られている。くそ、爆ぜろ。
「今までこんな事なかったのにどうしたの?てか皆割りきった関係だったでしょ?」
と喜島が言うと、彼女の中の1人が「その中でも私を選んで欲しい」と泣き出した。
それにつられ、他の彼女たちの声も大きくなる。
これは結構ヤバイ雰囲気になってきたんじゃないか?
下手したら喜島が刺され兼ねないぞ。
そうだ!
この場を丸く収める……かつ、ドン引きさせる事をすればいいんだ。だといったらもうあれしかないだろう!
俺も若干の犠牲を伴うが、所詮皆知らない人間だ。
…………ふははは!リア充よ!儚く散るがいい!
「俺にとっておきの考えがある」
そう見守る二人に告げて、俺は現場に向かった。
「あれ?正彦じゃん。どうしたの?…………もしかして修羅場?」
「……え?五十嵐?……てかなんで名前、」
俺が彼女達の前に偶然を装って現れると、案の定驚いた顔をしている喜島。いいぞこの調子だ。このまま新たな泥沼に陥れてやる……!!
「てかさ、何この女の子達。この間言ってたのは嘘だったのか?」
「……何、を?」
そりゃ何って感じだよな。だって全部俺が咄嗟に作った作り話だもの。
でも流石俺、こういうときの演技力は高い方だ。
どうやら彼女たちは信じてくれたようで、何だという目でこちらを見ている。
「正彦は俺のことが一番好きだって言ってただろ」
「…………は?」
その言葉を聞いた途端、彼女たちはざわつき始めた。
よし。あと一押しってところだな。
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