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どうしてこうなった!??⑤
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「俺、そんなこと」
おっと、口は挟ませないぜ。
計画を台無しにされちゃ困るからな。
俺は彼女達の方へ向きを変えて言い放つ。
「……お前らより俺が一番正彦を愛してるんだ。正彦だってそうだろ?俺が一番だろ?」
呆気にとられる喜島。その表情に顔がにやけそうになるけど、あと少しの我慢だ、俺!
ちょっと楽しくなってきた気もするが、それよりすっげぇ死にたい気分なう。
でも俺は晴輝、そして俺の為に喜島に報復したい!
だからもっと大胆に、インパクトのある行動に出てみようと、俺は喜島の肩を掴んで腕の中に引き寄せた。
「五十嵐……ッ!?」
喜島は場に流されやすい…言わばヘタレだから強引にいけばイケると思う……多分。
「俺の元以外に……どこにも行くな、喜島!」
少し切なげな表情で腕の力を強めてみる。
そんな俺の演技に喜島は何か感じ取ったらしい。
「それって今朝の……」
今朝?
寝ぼけてたから何言ってたか覚えてないけど、流れ的には良い感じだから「そうだ」と同意しておく。
「そっか、」
よし、このまま行けばリア充は破滅し、喜島の電話に悩まされることもなくなる!
そう考えていると、俺の腕の中にいる喜島が伏せ目がちに
「……五十嵐は、ほんとに、俺が一番好きなの?」
なんて聞いてきた。
さてはコイツもノリ気になったんだな。なら話は早い。
「好きなんかじゃない、愛してるんだ!」
ってドヤ顔で言い放ったけど、自分で言っててまじで気持ち悪くなってきた。早く終われ、この茶番。
「…………俺のことだけ、愛してくれるの?……俺が、一番……なの?」
コイツ一体何度確認してくんだよ。
演技とは言えど、流石にキモいぞ!
「あぁ。さっきからそう言ってるだろ。お前が一番だ」
「……そっか……俺だけが、一番…………。」
嬉しそうな表情をして頬を染めている。
この状況……最高にキモいけど、喜島もなかなか演技上手いじゃねーか。
そんな俺らの茶番の一部始終を見ていた彼女達は、
「うわキッモ、あたしこんな奴と付き合ってたのか」
「マジサイテー。まだ女のがましだったわ」
「あーもう男とか信じらんないわー。ほっといて帰ろ」
なんて口々に吐き捨てて帰っていった。
……ふ、ふはは……やったぞ、俺はやったんだ……!!!!!
さらば!元・彼女達!
そして、喜島ざまぁあああああwwwww
彼女たちには申し訳ない気もしたけど、ある意味お互いを救ってやったんだからいいだろ、って思っておく。
「途中からお前もノリノリだったじゃねぇかwwww
もう離れていいんだぞ。」
「…………尚、斗。」
「あ?なんだ急に名前で」
さっき立場が逆になってるな。
一体どうしたんだ喜島よ。
何故離れない。そして何故俺の腕を抱き締める?
「…………ちゃんと責任、とってよね」
「……は?責任って、」
喜島の頬が赤い。
なんかこんな事、前にもあったような……。
「尚斗ヤバイwwwwwwwwwwww」
「これは恥ずかしいな(笑)」
って、おい!お前らも影で笑ってないで早く助けろ!
しかもビデオ撮影までしてた晴輝と青生ちゃん。
……くそ、後でカメラごと消してやる!
「…………なお、と」
「うわ、なんだよ、離せ!」
喜島がなかなか離してくれない。
「え?照れないでいいよ。俺もう尚斗一筋だから。」
「はぁ?意味わかんねぇ!はーなーせー!」
どうやら俺は知らず知らずの間に、
喜島の中にある何かのスイッチ押してしまったようだった。
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