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煽りと独占欲
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今日も青生ちゃんの作ってくれた飯を食べて、一緒に登校する。それはもう俺の日常の一部となっていた。
しかし、この間の騒動のせいでそれが少し変わってしまった。
「尚斗の右側は俺だけの場所だから」
「は?何言ってんだテメェ。五十嵐から離れろ」
変わった事とは、あれ以降喜島が俺に付きまとうようになったという事だ。
一体どうしてそうなったのかはよく分からないが、とりあえずあまり芳しくない結果になってしまったのは分かる。
青生ちゃんも青生ちゃんで、よく喜島につっかかるようになった。2人がよく話すようになったのは良い事だが、少し違うような……。
「尚斗~!夏海~!喜島~!おっはよーー!」
「晴輝!!」
俺は晴輝の姿を見た途端、すぐにそこへ駆け寄った。
「もうお前だけが俺の心の拠り所だよ!あいつら最近ちょっとおかしいんだ……」
そう言って晴輝と肩を組む。
「……!……あ~、まぁ、そうだろうね……」
「?」
何がそうなのかは分からないが、晴輝が来てくれて正直助かった。……と、思った。
が、次の瞬間、いきなり俺の肩を二つの手が掴んだ。
おい、ちょっと待て。この手って……。
「「尚斗(五十嵐)!浮気(か)!??」」
だからどうしてそうなる!!!
俺はいつもみたいに話してただけなのに!
それに浮気ってなんだよ……。ただ呆然とした。
何とか言い合いも収まった頃、教室へ向かうと凄い勢いで俺は囲まれた。今度は一体何だって言うんだ。
その中の一人が口を開く。
「五十嵐、妻を差し置いて愛人を作るとは俺達は失望したよ……。」
「は?誰が妻で誰が愛人だよ!?そんなの作った覚えはねーよ!!?」
「おいおい、妻は夏海で愛人は喜島だろうが!朝から登校中に痴話喧嘩してただろ!??」
まさか朝からずっと見られてたっていうのか?
……怖いな。その行為も、解釈の仕方も。
「お前らの目は一体どうなってんだ……。」
「……それにしても五十嵐って不良と生粋の女好きを落とすなんて、とんでもない奴だよな」
「落とすってなんだよ?俺はただ仲良く……」
「仲良く!!?それはどういった意味d……」
「ねー、それくらいにしとかないと授業始まっちゃうよー!」
こ、この声は……晴輝!やっぱり晴輝だ!
なんて素晴らしいフォロー。俺は感激した!
やっぱり俺の心友はお前だけだ!
その言葉に俺に群がってた奴らもしぶしぶ戻っていく。
「晴輝、サンキュ!」
「うん!代わりに今度何か奢ってね!」
二人で密約を交わし、この場はなんとか収まった。
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