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シュークリーム
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「つむぎー!!起きてえやあ!!」
「ん...」
...朝?
ぱっと顔を上げると、レイがいい顔で俺の顔を覗き込んで来た。
「おはよ...」
「ん、おはよー...ってもう昼なんやけどな」
昼!?
ぱっと時計を見ると昼の1時過ぎを指していた。
やばっ...学校!!
「れっ、レイ!!今日学校!!!」
「そんなん休んだらええやん、1日ぐらい体休めた方がええで」
「そう...だけど......」
渋る俺にまたぽん、と頭を撫でながらレイはにやっと笑った。
「ほら、お昼ご飯できるまでこれ食べときや」
「ん....ってこれ!!!!」
驚いてレイが持ってきた箱に目が釘付けになった。
ベアードママのシュークリーム...!!!!!
「いいの!?」
「ん、元からつむぎに、と思って買っとったやつやから」
「ありがと....!!」
きゅうううん、と胸が鳴って嬉しくて、つい頬が緩む。
嬉しい...!!
ぱか、と箱を開けると美味しそうにホイップが乗ったシュークリームが1つ、顔を出した。
「...?レイの分は?」
よくよく見れば箱も1人用っぽかった。
俺一人だけ貰うのも...
ってか、ほんとに俺にって買ってきてくれたんだ...
嬉しいことのダブルパンチのせいで、胸がきゅんきゅん鳴るのが止まらない。
「俺、甘いもん苦手やねん。せやからつむぎの分だけ」
「そ、か...」
悪いと思いつつも嬉しくて、パクリ、と食べた。
クリームの甘い味と、挟んでるパンのほんのり香る美味しい匂いで満たされる。
「つむぎ、付いとるよ」
「...え」
どうやらシュークリームに夢中で自分の頬についたクリームに気が付かなかったらしい。
ふいにぺろ、とレイが俺の頬に付いたクリームを舐めた。
「!?!!?!!」
「フフ、つむぎ真っ赤」
にやにや笑うレイに見られて恥ずかしくて、体温がカ〜〜〜ッと上がる。
「いたっ!!つむぎ痛いやん〜...」
「うっさい、あっち行け」
「ひどっ!!!」
ひえ〜...とつむぎが俺に殴られた胸の当たりをさすさすと自分でさすってわざとらしく泣くふりをする。
ク、クリーム、舐める...とか.....少女漫画とかでやるやつじゃん!!!
でも、少女漫画でやるあれって恋人同士とかがやるやつだよな...!?
クラスの女子が騒いでいた話を思い出した。
『きゃ〜!!この彼氏めっちゃかっこいい!!』
『ね!!付き合ってまだまだなのにキスしてきゅんきゅんした〜!!』
そういや俺たち、キスもしたよな...!?
全身が溶けるようなキスを思い出して、ぶんぶんと頭を振って忘れようとする。
でも...俺たち付き合ってないし...
俺が...一方的に好きなだけで......
「......」
もしかして、レイは俺じゃなくて他のやつだったとしてもこんな風にするのだろうか。
介抱してくれて、手当してくれて、ちゅ、ちゅー...してくれて、よしよし、って抱きしめて、頭を撫でてくれて。
俺だから、じゃなくて。
他の奴らでも、同じことをするのだろうか。
「....あ、のさ」
「ん、なんや?」
いててて、と言いながら部屋を出ようとしたレイを思わず引き止めてしまった。
キョトンとしたレイをみて思わず口ごもる。
「やっぱなんでもない...」
「嘘やん、ちゃんと言うて」
真剣に見つめられると困る...
こんなこと聞いていいのかな...
...レイに嫌われたらどうしよう...
いざ言うとなると、やっぱり怖くなる。
それでも...
それでも、聞きたい。
「他の人でも、するの...?」
「ん?」
「レイは...俺以外の奴がもし同じことになったとしたら...昨日みたいに...キ....ス、したり、ぎゅってしたり...するの...?」
「......」
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