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2 DV→ハピエン
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「いいんですか…?」
「はい。家近いんです」
言葉に甘えてついていくことにした。
名前は橋谷和樹と言うらしい。
優しく話す彼に少し惹かれつつあった。
「よし…これで安静にすればすぐなおります
よ」
そういって家まで送ってくれた。
「ありがとう…ございます」
「あ、祐。どこいって………」
ちょうど彼氏が玄関をあけてでてきた。
和樹さんに気づいた彼氏が一瞬怒りの表情を見せた気がした。
「送ってくれたんですか?ありがとうございます」
「いえいえ。私はこれで失礼しますね」
「はい。本当にありがとうございます」
俺の手を引き、玄関に押し倒される。
「あいつ、誰?」
いつもより低い声で問われる。
「アザ…見つかっちゃって…手当てしてもらって……ッ………」
突然頬を殴られた。
「浮気?」
「違っ!お願い、殴らないでっ、」
玄関なのも忘れて叫ぶ。
馬乗りになられてるため、身動きがとれない。
それでも容赦なく平手打ちや殴りでオレを弱らせた。
「……ぁ…………ぁぁ…………」
虫の息の根になりはじめてようやく解放してもらえた。
いつもは戻ってきてくれるのに、今日は戻ってこなかった。
(…このままじゃ死ぬ………)
数十分ほどそのまま息を整え、起き上がれるようになったとき、玄関をそっと開けて抜け出した。
(どこか…遠い所……あの人が来ないような……)
逃げている途中で体力が尽き、道路に倒れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(暖かい……)
周りの空気が暖かくて目を覚ました。
「……大丈夫?」
(あぁ…夢見てるのかな)
そこにはコンビニで会った和樹さんが覗き混んでいた。
「ゆめ…か……覚めたくない…な………」
「夢じゃないよ」
そういうと同時に額が冷たくなった。
意識がハッキリしてくる。
彼氏を思い出し、勢いよく起き上がった。
「ダメだよ。ちゃんと寝てなきゃ」
肩を押され、布団をかけられる。
「ここ…は?」
「俺の家。道路で倒れてるところを俺が拾ったの」
そういって微笑む。
「あの人…早く帰らなきゃ殴られちゃう……」
呪文のように繰り返す。
「………もうあの人は家にいないよ」
理解ができず、和樹さんの方を見る。
「DV、でしょ。倒れるまで殴られ続けていいわけない。警察に通報したから」
それを聞いて、頭の糸がプツッと切れて楽になれた気がした。
「君はもう自由だよ」
「じ、ゆう…」
言葉を反芻し、涙が溢れる。
「辛かったね。これからは俺が守るから」
そう言われて確信した。
(俺、この人が好きなんだ。)
身体中が痛いのを忘れて抱きついた。
好きを伝えるのは、また別の話。
-END-
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