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kissmarkの所有権
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「ねえあれって俺ーキスマークに見えたんだけど気のせいかなー?」
「だからさっきから暗にそう言っているでしょう。貴方がやったんですよね」
「そんなわけないじゃないー!甲斐田さんが言ってる意味やっとわかったよー俺じゃないってばー」
甲斐田は赤松が千晴にあの跡をつけたのだと疑っている。服従しているいつの間にか相手が寝取られたと思ったら怒らずにはいられないだろう。だからこんなにも彼は怒っているのだ。まぁ逆の立場なら赤松も甲斐田に疑心を向けたのかもしれない。
そう理解はすれど納得はできなかった。前から思っていたが甲斐田は勘違いで突っ走ってしまう形跡がある。赤松なら逃れられない証拠をつかんで笑顔で喉元にナイフを向ける冷静さがある。変なところで食い違ってしまう性格だった。
まだ赤松だと決まったわけじゃないのに、どういう推理をしてか彼が犯人だと信じて疑わない様子だ。なんという濡れ衣だろう。赤松には千晴を襲った記憶なんてないのだ。そんな無理やり襲ったら千晴に嫌われてしまうし、まだ手は出さないつもりでいる。
だが酒に酔っての犯行だろと指摘されると反論しづらい。酒癖が悪い赤松はほろ酔いからのテンションがおかしくなってしまう。
泥酔などしてみた日にはどんな無茶をやらかしてしまうのか。恐ろしくて人にも聞けない。前なんて上半身裸でベランダにいたから冬だったら死んでいた。
とにかく、魔がさしてないなら赤松は犯人ではない。
ファイティングポーズをとりだした甲斐田に何と説明して疑惑を逃れようか考えていると背後に凄まじい殺気を感じ取った。
思わず飛び上がって天井に頭をぶつけそうになる。肉食動物に後ろを取られたかのような明確な死の恐怖が赤松を襲った。
「おい赤松貴様だな俺の可愛い弟を傷ものにしたのは弁解は100字以内にまとめて吐け100字を超えても足りなくとも言い終わっても次の瞬間首をはね落とす」
「組長ー!それどっちに転んでも死ぬからー!俺の首ポトリだから落ち着いてくれないー!?言いたいことはよくわかるからー!また俺疑われてるー!清廉潔白なのにさー!」
「それが遺言かならば死ね」
「待ってー!マジで死んじゃうからー!せめて最後に坊ちゃんに見送られたかったー!むさいおっさん二人に殺されるなんて嫌ー!」
首筋に突き付けられた鋭利な刃が首に食い込まないように、赤松は菊次の手首を握りしめた。どうしてこうも疑われて命を狙われているのか赤松にはさっぱりわからなかった。
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