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kissmarkの所有権
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「それではこれから足立組幹部会議を始める」
菊次の低音が会議室に響き渡った。
普段の菊次ならばまったくの無関心を貫いて始まりの合図すら言わなかっただろうが、今は目を見開いて室内にいるメンバーをにらみつけている。いくら見てもそれで犯人が名乗り上げるわけでもないのに、それでも真実を見透かすように辺りを見回していた。
一般人ならその眼光だけで態度に出るかもしれないが、ここにいるのはいくつもの死線を潜り抜けてきた肝が据わった男たち。組頭からの脅しなど日常茶飯事なのだ。日常におびえるような肝の持ち主はここにはいない。
「早く終わらせて犯人を血祭りにしたてあげましょう。私最近コブラツイストという技を覚えましてね。是非とも試してみたいんです」
不穏な台詞を吐き捨てた甲斐田は落ち着かない様子だ。しきりに首の骨をボキボキ鳴らして、まだ見ぬ犯人へと威嚇をしている。
無表情で指を鳴らすその姿には相応の貫禄があった。
「まあまあ落ち着いてよ甲斐田さーん。見つけたら俺がぼっこぼこにするからそのあとでねー」
「あなたが一番怪しいということに早く気付いてください」
赤松はいつもの変わらない軽い調子でひじをついている。
この場で一番疑われている人物だというのに、全く気遅れなどしていない。
神経がとてつもなく図太いのが彼の長所であり短所なのだろうか。
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