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Lie
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「あれー?甲斐田さんと坊ちゃんじゃんーなんか楽しそうなことしてるねー?」
俺が一方的に怒っていると赤松が割り込んできた。頭の上に顎を置いて首に抱きついてきたので容赦なく腕をつねってやった。
「実験中です。7×4も分からないお子ちゃまはお帰りください」
「馬鹿にしないでよー!それぐらい分かるよーしちし24だよねー?あれー?なにこの白けた空気ー」
めげずに腕に力を込めてくるから、俺の首が締め付けられて泡を吹きそうになる。我慢できずやや乱暴に腕を殴りつけてやるとやっと離れてくれた。自分の力の強さ把握しておいてほしい!
「そういえばさーこの家の冷蔵庫にこっそり作りかけのケーキおいてたんだけど、なくなってたんだーまだ飾り付けてなかったのにねー誰が食べたんだろー」
「自分で食べたんじゃないですか」
「そこまでぼけちゃいないんだけどねー」
まったく脈絡のない話題に心臓が飛び跳ねる。ドキドキして思わず俯くと赤松が俺の顔を覗き込んでくる。ふいっと視線をそらした。
「坊ちゃん知らない?」
「しっ知らねえし俺、食べてねえし」
そう答えた瞬間、高々と室内に甲高いアラーム音が鳴り響いた。不意をつかれて耳を慌てて塞いだが鼓膜へのダメージは相当なものだ。ぐわんぐわんと目を回しそうになっていると音の発信源、嘘発見器は5秒程騒いだ後満足したように静かになった。
赤松はマジマジと嘘発見器を眺める。彼も驚いてずれ落ちかけていたサングラスをかけなおした。
「これなーにー?すごい音したけどー」
「嘘発見器です」
甲斐田は煩わしそうに耳を押さえていた手を下した。
「へー嘘発見器なんだーへーそうなんだー」
棒読みな口調で言いながら赤松の視線は俺に向けられている。にやにやと小馬鹿にしたような笑顔は全部わかっていて知らないふりをしているに違いない。
どう俺を追い詰めてやろうかと企んだ素振りに頬がひきつる。
勘弁してくれよ!腹が減ってて我慢できなかったんだちくしょー!とても美味かったですはい!
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