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反響pierce
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買ったのはいいがこれどうしよう。
夕食を食った後、俺は椅子に座って買ったばかりのピアスをかざしていた。くるくると椅子を回転させると様々な角度から入ってきた光にピアスが色合いを変えて映る。
ちょっと酔って来た所で足を床につけて机に頬杖をついた。
買ったからには使いたいけど耳に穴あける勇気も、その後普通に学校へ行く勇気も持ち合わせていない。先生に呼び止められてがみがみ言われるのは想像しただけでも薄ら寒くなる。怒られるのは苦手だ。
こういうのって衝動買いって言うのかな。使う気もないのに無駄に財布の中身を軽くしただけになってしまった。
まあきっといつか穴あける勇気が湧き上がってくる日が来るんじゃないだろうか。
それまで引き出しの奥底に眠らせておこう。ちょこんとつまみ封印しようと身を屈めた瞬間、ひどい寒気が俺の背中を駆け抜けていった。
慌てて振り返ると、腕を大きく広げて俺に接近しようとしている赤松がいた。自分でも顔がひどく歪んだのが分かる。
「坊ちゃんなんでそこで振り返っちゃうかなー後ろから抱き着いてあわよくばそのままベッドに連行しようと思ったのに!」
「断じてお断りだ変質者!」
ぶーと頬を膨らませる赤松に怒鳴る。寒気を感じなければ危ないところだった!ナイス俺の第六感!
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