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You are the hero
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「戦隊ヒーローかよ!」
心の中で叫んだツッコミを声に出すと、赤松はやや興奮した様子でこくこくと何度も頷いた。
「そうだよー!最近巷のちびっ子達に人気のある戦隊ヒーローヴィクトリー!悪者だろうが善人だろうが容赦なく勝ちをもぎ取りに行くその容赦なさで大人気なんだー!」
「え、それヒーローなのか?むしろそいつらが悪者じゃね?」
子どもに人気がある作品を嬉々として語るこいつもやはりガキなんだろうな。年上の赤松が俺より子どもなんじゃないかと思えてくる。
「坊ちゃんも一緒に見ようよー」
「えー俺別にこういうのあんまり興味ないし...」
「一回だけ!一回だけでいいから!さきっちょだけでいいから!」
「それ多分違うときに使うセリフだよな!?」
俺の腕を掴んで離さない赤松。
ぐいくいと力づくで引っ張られ、俺はバランスを崩してしまう。
ぐらりと反射的にその場で体制を立て直そうとしたが、赤松が更に力を込めて引っ張った。
床に倒れそうになった俺を軽々と引き寄せる。そして俺は赤松の膝の上に座り込む形になってしまった。
あぐらをかいた上にすっぽり収まった自分の体が憎らしい。
「あっ坊ちゃん大胆ー!やっぱり俺の膝の上で見たかったんだねーもー素直じゃないんだから」
「おまえ絶対確信犯だろコラ!」
などとぬかしながら背後から抱きついてきたので必死に抵抗したら、俺の肘が赤松の顔面にめり込んだ。
鼻柱を強かに打ち込んでしまったらしく、うずくまって声にならない悲鳴をあげる変態の手からなんとか逃れることができた。自業自得だと思った。
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