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エル side
悩んだ末に結局屋上に来てしまった。
地面に座り込むと同時に欠伸がでる。
今日は絶賛実技日和( 笑 )の晴天で、
暖かい陽気に照らされていた。欠伸が出るのも仕方ない。
校庭ではゴム製のナイフを握り、
先生に合わせて掛け声を上げるクラスメイトの姿が。
あいつ等が頑張っている中自分は優雅に居眠りをする。
そんな軽い愉悦に浸りながら、静かに目を閉じた。
ふと意識が浮上し、ゆっくりと目を開ける。
眩しい程の光が目に入ってくる……
「 ッ!? 」
目の前にはやたらと顔の良いソラの顔面どアップ。
いきなりの事に肩が跳ね上がる。
それを見たソラはケラケラと笑って、
ソ「 あははwそんなに吃驚した?w 」
「 驚くに決まってるでしょ……で、何? 」
ソ「 何ってそりゃあ、君を呼びに来たに決まってるでしょ? 」
「 何で今日に限って…… 」
ソ「 今日は模擬戦の日だよ。 」
…成程、すっかり忘れていた。
この学園には月に一度、タッグを組み二対二で戦う
催しのようなものが行われる。
いつもなら俺は欠席扱いになるので何も言われないが、
今日に限ってこいつが来たと言う事は…
「 最っ悪…… 」
ソ「 頑張ろうな! 」
にっこりと意地の悪い笑みを浮かべると、
俺の腕を掴んで校庭へと引き摺るように移動した。
俺がグラウンドへ出ると、一気に注目が集まった。
普段授業に出る事が無いのだから当たり前なのだが。
「 ねぇ、エル、珍しく出てきてるよ? 」
「 ね〜、どうしてだろ。やっぱりソラ君が説得したのかな? 」
「 かなぁ?だとしたら凄いね、流石ソラ君。あの黒猫まで手なずけちゃうなんて。 」
「 あははw言い方w 」
クラスの女子達がヒソヒソと話をする。
どういう訳か俺には黒猫という渾名がついたようで、
何かあれば黒猫、と呼ばれるようになった。
これが他のクラスにも浸透しているのだから驚きだ。
五月蝿いので軽く睨んでやると直ぐに黙った。
所詮こんなものなのだろう。
ソ「 こら、エル?駄目だろ睨んだら。」
「 なんでだよ… 」
ソ「 だってほら、女の子には優しくしないと。ね? 」
そんな事微塵も思ってないくせに。
そんな念を込めてジト目を向けると、
ソラは何事も無かったかの様に視線を逸らした。
こいつ……
「 ……分かったよ、出ればいいんでしょ?出れば。 」
ソ「 うん!話が早くて助かるよ! 」
相変わらず胡散臭い笑みを浮かべたソラに
盛大な溜息をつき、
ソラの後を追って模擬戦で使用する武器を取りに戻った。
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