アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7.
-
本宮も、帰る前に用を足そうと、トイレに向かう。
手を洗っている桐島が
「お疲れ様です」
と本宮に笑顔を向けた。
「ああ」
本宮は珍しく、素っ気ない返事をした。
が、それは、自身の動揺を隠すためだった。
鏡越しの桐島の不思議そうな顔が、なんだか可愛くて、理性と本能のバランスが崩れる。
なのに、一方では冷静な自分が
『ここなら、監視カメラはないな』
なんて、囁いていた。
「本宮部長?」
桐島の声に、本宮は衝動的に背後から彼を抱き締める。
桐島が、腕の中で固まっているのが伝わってくる。
しかし、一度行動に移ってしまえば、もう自身を止められない。
本宮は抱き締める腕により一層力を込めた。
「…桐島くん…」
そう呟いた自分の声が、微かに震えているのに気付く。
「…ごめん…」
本宮は、自分がこれから取るであろう行為を詫びた。
ダメだとはわかっている。
桐島はノンケだし、部下だから抵抗できないだけだ と、頭ではわかっている。
しかし、もう、止められない。
桐島を抱き締める腕が、緊張なのか、震える。
『俺も、まだ若いな…』
どこか冷静な自分が、自嘲していた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 85