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「タクシーで送るから、ちょっと待ってて」
まだ電車があるからと遠慮する桐島をデスクに戻らせると、本宮は軽く後始末をした。
さすがに今から自身のアトシマツをするわけにはいかず、冷たい水で顔を洗い、深呼吸をして硬くなったモノを落ち着かせる。
本宮がフロアに戻ると、桐島は自分のデスクに座り、まだ少しボーっとしていた。
本宮は敢えて桐島に声をかけずに、コピー機から吐き出された資料を取りに向う。
ホチキスでそれを綴じようとすると、桐島が慌てて駆け寄り、
「すみません!
オレがやります!」
と資料に手を伸ばす。
『俺がやるから座ってなって言っても、逆に気にして座ってられないだろうな』
そう判断して、桐島にホチキスを渡す。
本宮は資料を1部分ずつトントンと揃え、桐島に渡す。
桐島が無言でガチャンと綴じるのを見ながら、先程の行為を後悔する。
『嫌われたかな。
嫌いってよりも、怖がらせたか…?』
沈黙の中、紙とホチキスの音だけが、やけに大きく響いていた。
資料を綴じ終わると、本宮はタクシーで桐島をアパートへ送った。
その間交わした言葉は、アパートの場所の確認と、決まりきった挨拶だけだった。
何かを言って、桐島を怖がらせたくなかった。
家に帰ると、息子の柳がちょうどトイレから出てきたところだった。
『このタイミングでコイツに会うって…』
ツイてない自分に落胆しつつ、平静を装う。
「ただいま」
「おかえりー。
遅かったじゃん、今週早いって言ってたのに。
いいコでもいたの~?」
自分とそっくりな顔で、自分みたいにニヤニヤとからかう声に、図星をつかれ若干イラッとする。
「うるせーよ、急な仕事だ。
ガキは早く寝ろ!」
「はいはーい、おやすみー」
柳が自室に入るのを確認すると、本宮はシャワーに向かった。
先程の行為を、桐島の声と感触を思い出しながら、自身を慰める。
ずっと我慢していたそれは、あっという間に硬くいきり立って。
「…桐島くんっ…」
小さく彼の名を呼ぶと、本宮は果てた。
桐島に罪悪感を抱きながらも、どこかその背徳感に興奮する自分も、否めなかった。
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