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27・28.
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「…桐島くん…」
愛しさが込み上げ、本宮は強く桐島を抱き締め、深く激しい口付けを与える。
「桐島くん」
キスの合間に、本宮は何度も桐島を呼び、そして、不安げに呟いた。
「僕で、いいの?」
「部長が、いいんです。
ごめんなさい。
好きなんです。
ごめんなさい…」
腕の中の桐島が泣きながら何度も謝るので、本宮は優しく宥めるように言った。
「桐島くん、謝らないで。
謝るのは、僕のほうだ…。
ごめん…」
桐島が強張っているのが伝わる。
安心させるため、桐島の髪を優しく撫でながらゆっくりと丁寧に伝える。
「久弥、愛してる。
泣かせてごめんな。
本当のことを言って、嫌われるのが怖かった。
俺は男だし、おっさんだし。
久弥は若いし、モテるし」
桐島は顔を上げ、目を見開いて、本宮を見つめた。
「…ウソ…」
桐島は、本宮の言葉を予想もしていなかったのだろう。
その言葉は、本宮への確認というよりは、自然とポロッと口から落ちたようだった。
本宮は桐島を抱きしめて、子供に言い聞かせるように、優しく丁寧に答えた。
「ウソじゃない。
俺は、久弥を愛してる」
「だって、いつもすぐに帰ってしまうし…。
それに、いつもオレばっかりで、部長は…」
なおも信じられない という顔をする桐島に、本宮は何度も丁寧に伝える。
「ごめんな。
俺が臆病なせいで、久弥を傷つけて。
でも、信じて欲しい。
ちゃんと愛してるってことだけは」
苦笑いしながら、懺悔の思いを込めて、桐島の疑問に答える。
初めから桐島を可愛く思っていた。
最初に手を出してしまった時は、2人きりの空間で我慢がきかなかった。
桐島に告白して、“重い"とか“遊びのつもり"なんて言われたらどうしようかと怖かった。
でも、一度知ってしまった自分しか知らないであろう桐島の顔を、見ずにはいられなかった。
本宮が思いを吐露すると、桐島が再び涙を流す。
「久弥!?」
何かマズい事を言ってしまったかと慌てる本宮に、桐島は首を振り、
「嬉しいんです」
と微笑んだ。
衣服を乱さなかった理由は、それ以上進んだら、桐島を傷つけてでも無理やり自分のモノにしてしまいそうだったから。
ガキのするセックスのように、余裕がなくなりそうだったから。
本宮はバツの悪そうな顔で、桐島にそう呟いた。
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