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4.~柳の策略~1.
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オヤジの行動が怪しい。
普段から家事はしっかりしてるけど、やけに掃除が念入りだ。
心なしかウキウキしてるようにも見える。
…四十路のオッサンがウキウキしてんのって、なんかキモイな…。
もしかして、おれがいない間に“ひさや”を呼ぶつもりか?
だとしたら、土曜日の塾の時間?
平日はオヤジ達も仕事だろうし…。
金曜日の朝、おれの予想は確信に変わった。
オヤジがなにやら大量の食材の下拵えをしている。
今日の夜はおれもいるから、やっぱり土曜日の塾の時間だ。
早速母さんに電話をかけた。
『はい、もしもし』
「母さん、おはよー。
朝からごめ~ん。
急で悪いんだけど、明日の昼過ぎにウチから塾まで車で送ってくれない?
んで、夜もそっちに泊めて?」
『いいけど、どうかした?
樹くんと喧嘩でもしたの?』
「いや、全然。
多分、おれが塾行ってる間に恋人連れ込むっぽいからさ~。
せっかくだし、お泊まりさせてあげようかと」
ニヤニヤと笑みがこぼれるのを、抑えきれない。
母さんも同じらしく、電話越しの声が楽しそうだ。
『了解!
明日は用事無いから協力するわ。
細かい時間、メール入れておいて。
樹くんに貸しが出来るわね~♪』
「ありがと!
宜しく~」
よし、これでギリギリまでウチで待って、“ひさや”の顔を見てから塾に行ける。
ゥナァ~ン
すり寄ってきた椿を撫でて、登校の準備を再開した。
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