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食後も、2人でだらだらとソファでいちゃつく。
目を通さないといけない書類や、作成途中のデータもあったが、それは日曜にでもなんとかする。
今は久弥といる事の方が、大切だった。
が、ガチャリと玄関の開く音に、落胆する。
「ただいま~」
当たり前だが、聞こえたのは柳の声。
『もう少し、気ぃ遣えよ…!』
内心思いつつも、柳にはいろいろと借りがあるから、口には出せない。
「おかえりー」
俺に身体を預けていた久弥が、身体を起こして柳を見上げる。
「ふ~ん、良かったじゃん、久弥」
ニヤニヤと含みのある笑みで、柳が言った。
「そういう事、わざわざ言うなよ」
久弥が顔を赤らめて睨む先が、柳なのが気に食わない。
「“久弥”って呼ぶな…!」
ジロリと睨むと、案の定言われた。
「誰のおかげで寄り戻せたと思ってんの~?」
ニヤニヤ笑う顔が、勘に障るが、言い返せないのも事実。
悔しさに顔を歪めると、柳がいっそうニヤついた顔を見せる。
「“久弥”がダメなら、“お母さん”って呼んであげようか~?」
「おかっ…!? バカッ!!
変な事言うなよ!」
久弥が真っ赤な顔で慌てる。
「あ~、それならいいかも」
俺もニヤっと笑うと、
「樹さんまで変な事言わないで下さい!」
と怒られてしまった。
「柳~?
お前、一人暮らししな。
早めにアパート探して来いよ?」
「はぁ!?
何だよ、急に…!」
俺の言葉に、柳が驚く。
「久弥にこっち来てもらうから、お前邪魔」
説明すると、久弥が苦笑する。
「樹さん、いくらなんでも“邪魔”は酷いですよ。
柳、俺のアパート住めば?
そんなに大学近くは無いけど、ここより近いだろ?
駅も結構近いし、割と便利だよ」
「まあ、元々はその予定だったし、一人暮らしはいいんだけど。
久弥のトコじゃあ、バイト代無くなるって。
物件見てみるから、もうちょい待ってよ」
そんな事を言われても、俺はもう待つ気なんて更々ない。
久弥の抵抗を押し切ろうとしたが、柳がトイレに行った隙に、久弥が俺の耳元に顔を寄せて
「柳がいたら、思いっ切りセックスできない」
なんて扇情的に囁くもんだから、無理に押し切ることも出来ず。
結局、柳のアパートが決まるまで久弥の所を解約しないという折衷案で、翌週末からは三人暮らしが始まる予定だ。
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