アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
21.
-
気を失った久弥から自身を抜くと、「んっ…」と久弥の口から声にならない音が漏れる。
同時に俺の放ったモノがドロッと流れてくる。
卑猥な光景に、再び猛りそうになる自身を堪え、ふぅーっと大きく息を吐く。
久弥をベッドに寝かせ、タオルを取りに立ち上がろうとすると、久弥がギュッと俺の腕を掴み、離さない。
無意識のその行動に、自然と顔が綻ぶのを感じる。
「久弥、大丈夫。
すぐ戻るから。
タオル取りに行ってくる」
そう告げて額にチュッと軽いキスをすると、その言葉が届いたのか、久弥が握り締める手の力を抜いた。
普段は、以前と変わらぬ態度を見せる久弥。
しかし、きっと、無意識の内でも俺が離れる事が怖いのだろう…。
久弥の心の傷は、きっと全然癒えていない。
『これから長い時間かけて、信頼を取り戻さないとな…』
久弥の身体を丁寧に清めながら、全身に優しくキスをした。
最後に、久弥の隣に横になると、起こしてしまわないようそっと抱き寄せ、柔らかな唇に、誓うように口付けた。
翌朝、案の定腰が立たなくなった久弥が、キッチンから戻って寝室の扉を開けた俺を軽く睨み付ける。
「久弥が“欲しい”って言ったんだろ~」
ニヤニヤしながら言うと、枕が飛んできた。
「何で毎回デリカシーの無い事を…!」
膨れてはいるが、本気で怒っているわけではない久弥の脇に腰掛け、髪を撫でて耳元にキスして囁く。
「ご~め~ん~。
久弥が可愛いから、つい」
軽く抱き締めると、久弥が不満げに言ってきた。
「オレが何で怒ってるか、分かってます…?」
ジロッと睨まれ、大袈裟に怯んで答える。
「昨日し過ぎたのと、デリカシー無いからだろ?」
肩をすくめて答えると、久弥がギュッと抱き付いてくる。
「…起きた時に…いないから…」
微かに震える指先に、自分に呆れる。
久弥が不安な事は、分かっていたつもりなのに。
ちゃんと分かっていなかった。
「ひさ、ごめん。
いなくならないから。
ごめんな?」
真面目なトーンで謝ると、久弥がフッと力を抜き、クスっと微笑んだ。
「約束ですよ…?」
「ああ、約束する」
腕の中の久弥を強く抱き締め誓う。
久弥とやり直してまだ僅か一週間。
俺の償いは始まったばかりだ。
――END――
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 85