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2、俺のご主人様 真人side
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「制服に着替えてから行く」
「かしこまりました」
俺は退室して先に食堂へ向かう。
そして梓馬様の席の後ろに控える。
「お待たせ」
「こちらにどうぞ」
数分後、梓馬様が食堂に来られる。
俺は椅子を引いて着席のサポートをした。
「熱いうちにお召し上がりくださいませ」
ご飯、白菜としめじの味噌汁を口に入れる。
「ありがとう」
「…お口に合いましたでしょうか」
「…うん、美味しい。いつもの味だよ」
「それは良かったです」
いつもの味は当たり前。
作ったのは俺では無いんだから。
厨房メイドが全て作っている。
「なんか、味は一緒のはずなのに、何かが違う」
「何でしょう」
「別院に来てから、食事は1人だったからかな」
「…寂しさがあったのでしょうね」
「う〜ん、寂しくは無かったんだけど、気づいてないだけだったのかもね」
「これからは私が梓馬様のお傍に」
「…ふふ、ありがとう。お前が居てくれると少し気が楽になるかも」
「ありがたきお言葉、ありがとうございます」
「…ふぅ、ご馳走さま。学校は僕ひとりで行くから後は自由にしてて」
「そういう訳には参りません。ならばせめて、玄関先までお供させてください」
「…分かったよ」
俺はメイドを呼んでテーブルの片付けを言いつけた。
そして玄関に向かった。
「迎えは要らないからね」
「…ですが」
「雪見」
「…申し訳ございません」
「でも帰ってきた時くらいは外の玄関で出迎えて欲しいかな」
「かしこまりました」
「うん。よろしくね。雪見、行ってきます」
「お気をつけて行ってらっしゃいませ」
梓馬様をお見送りする。
お帰りになる時間は家政婦から聞いているから、
それまでは俺の自由時間になる。
だが、俺は執事。
執事としての仕事は主人がいない間も続く。
そして俺は別院の見回りを始めた。
梓馬様は俺がお仕えするご主人様。
しかし、いづれは解雇されるはずだ。
俺は罪を犯すためにここに来たのだから。
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