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零
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あのね。
これは都市伝説なんだけど、生き物は死んでしまったらある神社に行くんだって。
とても長い階段を登ってね。
階段の横には、ぼんやり橙色に光る提灯が吊るされていて足元を照らしてくれているんだ。
そしてなにより!
そこの神社の神主さんはすっごく美形なんだよ。
まるで人じゃないかのように。
肩にかかるくらいの黒髪につり上がった長細い目。
瞳はくりくりの澄んだ青。
落ち着いていて優しい雰囲気なんだけど、どこか冷たい印象を持つような感じでね。不思議なヒトなの。
動物で例えると…そう、黒猫。
そこの神社では、自分の人生すべてが詰まったアルバムを読むんだよ。
読み終わって、いい人生だったな。心からそう思った人はそのまま長い階段を登って天国へ行けるの。
けどね、自分の人生に後悔がある人、やり残したことがある人はそのアルバムの一部分が抜けているんだって。
一番叶えたかったこと、その部分の写真がないんだよ。辛いよね。
それを哀れんだ神主さんが少し猶予をくれるんだ。
死後の世界へ行くまでの猶予を。
現世に戻って、望みを叶えることが出来るんだよ。
ただし、現世に戻った自分のことが視えるのは一人だけ。
しかも視える相手を選ぶことが出来ない。
だけどね、不思議な事に望んでいた相手に会えることが多いんだ。
何故ならその相手も会いたいと思ってるから。
もう一度会いたいと強く願ってる同士が会えるんだよ。
素敵でしょう?
現世にいる間の約束は2つ。
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