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トュインクル×2 3
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特に隠す理由もないのに、ノアに秘密と言ってしまった。校舎フラフラしたり、屋上で寝てたり、後はセツカの見張り?とか。あ、隠す理由、あったわ。
セツカと一緒とか変な噂がたちかねん。まあ、ノアなら良いけど、理由とかいうのめんどくさいな。
まあ、この前は任務で呼び出されたり忙しい時もあったし、夜中から朝方にかけて学園にいないっていうパターンもあったけど。
中庭への、道中1人でうんうんと考えながら歩く。
側から見たら変な人だな。
中庭に着き、真ん中に置かれているベンチを目指す。
「おい、セツカ」
声を掛けてみたが、反応がない。
「…?」
前から回り込んでみると、そこには誰もいない。
「…今日は、居ないのか」
暇になってしまい、ベンチに腰掛け空を眺める。曇が太陽にかかり、そこから薄くなった光が妖精の粉みたいだ。
「こんなところで、何してるの?」
……びっくりした。その気配に気づけなかった。
突然声を掛けられ、後ろを振り返る。
「………副会長」
あのいけ好かない副会長が、近づいてくる。
「誰に会いにきたの?」
「……は、?」
「ほら、寂しそうな声で言ってたじゃない。
今日は、居ないのかって」
まさか、そこから聞かれていたのか。というか、寂しそうになんて言っていない。
俺の不服が伝わったのか、副会長は小さく笑い俺の隣に座ってくる。
「ここは、あの帝王様の住処だと思うけど?」
「………帝王様?」
「あれ、知らない?セツカ・オウシュウ」
「……知ってますけど」
「彼は、自分の住処に人を近づけないはずだけど」
それは、知らなかった。頭の中で縄張りを守る勝手に犬化したセツカが吠えている。
「そうなんですね」
「それで?ここに何しにきたの?」
「…副会長こそ、何しにいらっしゃったんですか」
「俺?俺は気分転換しようと思って」
「……そうなんですか、折角の気分転換にお邪魔しました。」
そう言って、サッと立ち上がる。今だ、逃げてしまえ。そもそも、ここが「帝王様の住処」って知っててわざわざ教えてきたくせになんでここにいるんだよ。
「…………離してください」
「なんで逃げちゃうのさ、折角捕まえたのに」
「…別に逃げてないです」
俺の右腕を掴み離さない副会長。なんで、止めるんだよ…!俺がいたら邪魔だろうが……!!
振りほどこうにも相手の力が強く、振りほどけない。
「離さないよ」
その、台詞と笑顔に背筋が凍る。
諦めて、自分が座っていたところに座り直す。
「副会長サマなのに、授業サボっていいんですか」
「俺はSクラスだからね」
「あぁ、ナルホド」
「生徒会室で気分転換すれば、いいじゃないですか」
「えー、生徒会室だとあいつらがうるさいんだよ」
本当に嫌だ。この人きらい。
「そんなに拒まれると傷つくなあ」
「……」
「みんなは嬉しがるのに」
「…じゃあ、そのみんなのところに行けばいいじゃないですか」
「そういうことじゃないんだよなあ」
「……あなたが」
「ん?」
「あなたが、その無駄なキラキラを無くしたらいいですよ」
そのキラキラが眩しいんだ。まるで、その粉を身体に振り掛けたら空を飛べるようで。
「……プッ、なにそのキラキラって」
「………………そのあなたが周囲に振り撒くオーラですよ」
「俺、キラキラしてる?」
「……はい」
「君には、俺がキラキラしてるように見える?」
「…………イルミネーションかってくらい」
「…ハハ、なにそれ。嬉しいなあ」
余計キラキラしたオーラを強くする副会長に思わず、「うわっ」と言ってしまう。嫌がらせか?コイツ。
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