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日常
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「慶太!また明日な!」
友達は俺にまた明日と声をかけてくれるけど俺はまた明日なんて言えない。
「…」黙って手をあげる。
それが俺にできる最善の策。
チャイムがなってみんな自分がするべきことやしたいことに向かって教室を出ていく。
俺はいつもどおりこの教室を出る。
いつもどおり同じ電車に乗って、
同じ駅で降りて、
同じ道を歩く。
俺がたどり着くのはこの町で一番大きいであろう家。
この家の裏口、いや、俺専用のドアを開ける。
ドアを開けて仕舞えば俺はもういない…
家にいる時俺にはルールがある。
自分の意思で行動してはいけない。
勝手に声を発してはいけない。
そして、
伯父の言うことは絶対。
このルールを破れば俺は家から出ることはなくなるだろう。
だからまた明日とは言えないのだ。
きっと生まれた時からこの環境なら苦しくないのだろう、だが俺は違う。
俺がこの家に来たのは2年前、14歳の時だ。
母親には他に男がいてそれが父親にばれたから家を出て行った。
父親は天野家の次男で会社を長男の伯父に任せっきりに自分の趣味に夢中だった。
その趣味を生かした会社を起業したが失敗。
その借金に追われて失踪した。
母親と父親のことがあり俺は暮らせなくなり伯父の家に住まわせてもらうようになった。
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